四半期開示なくなる? キーマンの自民党議員を直撃【WBS】(テレビ東京配信)
金融庁に、四半期開示任意化の動きがあることを取り上げた記事。
「上場企業はいま3ヵ月に1度、法律に基づく四半期報告書と東証のルールに基づく決算短信の2つを開示する義務があります。金融庁が示した案では、まず内容の大半が重複していた2つの書類を一本化。第1四半期と第3四半期の決算は短信だけの公表になります。
そして注目を集めているのが第2段階。将来的に短信の開示義務を通期のみにし、その他の開示は任意化することを検討しているのです。投資家の多くが反対する四半期開示の任意化ですが、岸田総理は「新しい資本主義」の目玉政策の一つとしてこの政策を推し進めたい考えです。」
個人投資家、関経連会長、上場しているベンチャー企業のCFOなどにインタビューしています。
見直しのキーマンだとされる自民党の議員にも聞いています。
「政権はなぜ四半期開示の任意化を強く進めようとしているのでしょうか。その土台となった提言を中心となってまとめた自民党の自民党(金融調査会)の鈴木馨祐議員に話を聞きました。
鈴木議員は、3月に四半期開示の見直しを盛り込んだ提言をまとめ、岸田総理に渡した今回の議論のキーマンです。実は提言書の中にも懸念が示されていました。
「『市場との対話に消極的ではないかと誤ったメッセージになるのでは』と提言でも指摘していました」(角谷キャスター)
「海外の投資家から誤ったパーセプション(受け取り方)があるといけない。一番の目標はしっかり日本の企業が市場と対話をし、海外も含めた多くの投資家としっかり対話をして情報を出すことで適切な投資をしてもらう」(鈴木議員)
「政府は何を目指して四半期開示の取り組みを進めているのか」(角谷キャスター)
「企業経営があまり短期にいかないようにというのも総理の思いだった。一方であまり投資家への情報の開示が後退したというのもいけない。そこの連立方程式をどうにか収めたのが今回(先月)の金融庁が示した方向だと思う」(鈴木議員)
鈴木議員は四半期開示を任意化させる前提として、企業に重要事項が発生したときにその都度公表する「適時開示」を充実させることでバランスを取る考えを示しました。」
こういうのは、どっちつかずというのでしょう。また、何かイベントがあったときに行われる適時開示と、定期的にどの会社も一律に行う四半期開示とは、性質が違うのでは。
金融庁のコメントもあります。
「...金融庁の関係者は思わぬ着地の見通しを明かしました。
「法律としては短信と報告書を一本化して任意化するが、東証のルールとして事実上義務化を残す方向。それが落としどころ。総理のメンツも保たないとね」(金融庁関係者)」
コーポレートガバナンス・コードのように、法令ではなく、取引所のルールにすぎないが、影響力を行使することもできるというのが、金融庁にとっては、便利なのでしょう。
なお、金融庁の会議資料をみると、仮に四半期任意化となっても、第2四半期は、半期報告書として法定開示が残るようです。
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