会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

日立造船側を刑事告発 資材メーカー旧経営陣 「安価で技術横取り」(産経より)

日立造船側を刑事告発 資材メーカー旧経営陣 「安価で技術横取り」

2010年に日立造船の子会社となった「エヌビイエル」という会社の旧経営陣が、日立造船会長らを大阪地検特捜部に刑事告発したという記事。会社分割により設立された子会社の株式を、日立造船から送り込まれた新経営陣が不当な安さで造船側に売却した(会社法の特別背任罪に当たる)と、旧経営陣は主張しているそうです。

「告発状などによると、NBLの旧経営陣は、石油や天然ガスの採掘に使う高品質のFRP(強化繊維プラスチック)製高圧管の独自技術での製造に成功。事業拡大の資金確保のため、21年1月に日立造船と事業協力の協定を結び、造船はNBL株の20%を取得した。

22年3月、造船はNBL株の50%超を得て経営権を取得。同5月のNBLの株主総会で旧経営陣を解任、造船出身者が新社長に就任した。新経営陣は株式保有率を3分の2以上まで増やし、23年8月に新設分割を決定。9月、新しく設立された「日立造船コンポジットマテリアル(HZCM)」に事業全般を移し、対価でHZCM全株式を取得し、新設分割は完了した。

ところが10月、全株式を造船に6千万円で売却。HZCMは造船の完全子会社となり、NBLは11月に破産手続きを申し立てた。

NBLの独自技術をめぐっては、旧経営陣は、中東の石油関連会社などに製造設備一式を10億円で販売する計画があったと主張。年初にも造船などに損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こす。」

子会社株式の売却額が妥当なものだったのかなどがわからないので、なんとも言えないところですが、旧経営陣からすれば、自分たちの会社を技術ごと、乗っ取られたという感じなのでしょう。少数株主の権利がきちんと守られるのかという問題でもありますが、そもそも提携する相手をよく選ばなければならないという話なのかもしれません。

日立造船会長らを告発=「会社乗っ取られた」-ベンチャー旧経営陣(時事)

「旧経営陣は「会社を乗っ取られ、技術も盗まれた」として、事業移管と破産処理で少なくとも32億円の損害を受けたと主張。損害賠償を求める民事訴訟も近く起こす方針だ。」

平成26年会長兼CEO年頭挨拶(骨子)(日立造船)

すごく数値目標にこだわっている印象を受けます(経営者としては当然なのかもしれませんが)。

「陸に上がった日立造船」として2030年には“1兆円企業”になる
――古川実・日立造船会長兼社長ロングインタビュー
(ダイヤモンドオンライン)
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