東京都や大阪府などの自治体で、新型コロナ対策の休業要請に応じた事業者に対する協力金の支給が始まるという記事。
手続の煩雑さを取り上げています。
「各自治体は迅速な支給を掲げる一方、事業者に休業状況を示す写真や誓約書など複数の書類の提出や、税理士ら専門家の事前確認などを求めている。緊急事態宣言の期限延長で休業が長期に及び、資金繰りに苦しむ事業者は多く、手続きの迅速化を求める声があがる。」
「都も大阪府も、申請には申請書のほか、以前から営業していたことを示す確定申告書、休業や短縮営業の状況が分かる書類、休業が虚偽と判明した際に違約金を支払うことなどを記した誓約書などが必要となっている。
さらに都は、申請時に税理士や公認会計士ら専門家の事前確認を要請している。専門家の事前確認がない場合、「支給まで時間を要する場合がある」としている。」
会計士の人のコメントも出ています。
「専門家からは事前確認の難しさを指摘する声も上がる。税理士と公認会計士の資格を持つ市川恭子氏は顧問先の申請手続きの際、過去の帳簿などと申請書を対照し確認した。
ただ、市川氏は「顧問先以外の事業者をチェックするのは難しい」と話し、新規顧客の場合、過去の帳簿の精査や営業実態、休業状況を責任持って調べることは緊急事態宣言が出ている中では困難と指摘する。」
当サイトの関連記事(地方自治体の協力金について)
東京都感染拡大防止協力金のご案内(再掲)
「事前確認を行う専門家のみなさまへ
本協力金の申請に関する事前確認の費用については、一定額(申請1件につき8,000円(税込))を東京都が負担することとしており、各団体を通じてご案内しているところです。
その点をご了解いただいた上で、申請事業者の方から事前確認の依頼がありましたら、その範囲の中で事前確認のチェックをお願いいたします。
なお、東京都からのお支払いの手続については、ポータルサイトや各団体を通じて、ご案内いたします。」
休業協力金などの課税問題は...
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<新型コロナ>休業協力金「課税扱い」 財務省が見解(東京新聞)
「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、八日に給付が始まった中小事業者支援のための「持続化給付金」について、財務省は「課税対象になる」との見解を示している。都道府県の休業要請に応じた事業者に支給される「休業協力金」も同様に課税対象となっており、東京都は反発している。」
赤字補填の意味があるのでしょうから、記事中の財務省コメントのとおり、課税(法人であれば益金にする)といっても、新型コロナによる赤字の範囲内の給付であれば、実際に税金が増えることはないでしょう。仕組み上、赤字を超えて給付してもらうことがあれば、その超過分は課税して政府が一部をとり戻すのは合理的でしょう。
弁護士や学者のコメント。
「租税法に詳しい平川雄士弁護士は「協力金を非課税とするには例外を認める法律が必要」と指摘しています。しかし、一部の事業者しか給付されない協力金は全ての国民を対象にした給付金と異なり、協力金を非課税にするのは簡単ではありません。テークアウト営業を続ける飲食店が協力金の対象外になっている自治体もあり不公平感が生じる恐れがあります。」
「国税庁出身で中央大法科大学院の酒井克彦教授は「協力金などを非課税と認めるのは『例外中の例外』。例外を設けるのであれば、事業者を支援する制度趣旨について、国民に幅広く理解してもらうことが欠かせない」と指摘しています。」
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