弁護士、会計士、教師、医師…「第4の波」でAIに取って代わられる仕事とは
大前研一の本の宣伝記事。AIにとって代わられる仕事として、税理士、会計士などをあげています。
「私が提唱している「第4の波」では、弁護士、公認会計士、税理士、司法書士、行政書士、中小企業診断士、社会保険労務士、宅地建物取引士などの「サムライビジネス(士業)」の多くは、AIに取って代わられる」
「IT先進国のエストニアでは納税申告が自動化され、会計士や税理士という職業が消滅した。政府のクラウドデータベースに全国民のネットバンクとのやり取りと預金残高が記録されているため、課税所得や納税額の計算が自動的に行なわれる。国民はスマホやパソコンから自分の納税額を確認し、承認するだけで確定申告と納税が完了する仕組みになっているのだ。日本も納税申告だけなら経理ソフト・会計ソフトから電子的にできるが、利用している企業や個人はまだ非常に少ないのが現状だ。」
エストニアの事情はよく知りませんが、さすがにカネの流れだけの把握では、所得や納税額の計算はできないでしょう。しかし、給与所得者に関しては、個人個人の給与計算に関わる情報(社会保険も含めて)を政府が全て集めていれば、税金の計算はできそうです。日本のように、企業が年末調整をやる必要もなくなります。社会保険に関しては、むしろ政府の方に情報があるので、それを引っ張ってくればよいでしょう。預金口座や預金残高まで把握されていれば、納税も自動化できます。日本の場合は、企業に従業員の税金や社会保険に関する事務を大部分やらせ、企業単位で完結するような仕組みになっていて(だから、従業員個人は税金や社会保険をあまり意識しない)、政府が企業に甘えている面があるのでしょう。
電子申告に関しては「利用している企業や個人はまだ非常に少ない」ということはなく、かなり普及しているのでは。ただ、「納税申告だけなら」という条件付きであり、申告するための情報を作成するところが、たいへんなのでしょう。
納税申告が自動化されたとして、会計士・税理士が失業するかどうかは、別問題だと思いますが。