最近の監査人交代事例です(2025年2月14日発表分)。あずさと爽監査法人が、それぞれ2社退任します。
1.ブロンコビリー(東証プライム)
会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
あずさ→太陽有限責任監査法人、の交代です。
「当社の事業規模に対して今後の監査報酬に対する動向、さらには、監査等の継続期間が長期にわたることも勘案し、他の監査法人と比較検討を行ってまいりました」とのことです。
太陽を選んだ理由。
「監査等委員会が太陽有限責任監査法人を会計監査人の候補者とした理由は、当社の事業規模に適した会計監査人としての専門性、独立性、経済性、監査品質の確保、監査計画及び監査体制の適切性を有し、会計監査が適切かつ妥当に行われることを確保する体制を整えており、当社の会計監査人として適任であると判断したためであります。」
「経済性」という言葉が出てきましたが、これは、監査人側ではなく、会社側から見たときの「経済性」のことなのでしょう。
現監査人の就任年は、2008 年です。
2.ユニフォームネクスト(東証グロース)
会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
あずさ→かなで監査法人、の交代です。
「当社の事業規模に適した監査対応と監査費用の相当性について、他の監査法人と比較検討いたしました結果」とのことです。
かなでを選んだ理由。
「監査等委員会がかなで監査法人を会計監査人の候補者とした理由は、当社の事業規模に適した新たな視点での監査が期待できることに加え、会計監査人に必要とされる専門性、独立性、品質管理体制及び監査報酬の水準を総合的に勘案した結果、当社の会計監査人として適任であると判断したためであります。」
現監査人の就任年は、2015 年です。
3.ピクスタ(東証グロース)
公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
新日本→東陽監査法人、の交代です。
「現会計監査人の監査継続年数が長期にわたっていることを考慮し」たとのことです。
東陽を選んだ理由。
「監査等委員会が東陽監査法人を会計監査人の候補者とした理由は、現会計監査人の継続監査年数を考慮し、新たな視点での監査が期待できることに加え、会計監査人としての専門性、独立性、品質管理体制及び監査報酬の水準等を総合的に検討した結果、同法人は当社の会計監査を適切かつ妥当に行われることを確保する体制を整えており、新たな会計監査人として適任であると判断したためであります。」
現監査人の就任年は、2012 年です。
4.ジェイ・イー・ティ(東証スタンダード)
公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
ACアーネスト監査法人→新日本、の交代です。
「現会計監査人による監査継続年数が長期にわたっていること、および、当社の業容の拡大とグローバル化が更に進んできていることから、上記3.の理由により、EY 新日本有限責任監査法人を新たな会計監査人として選任するものであります。」
新日本を選んだ理由では、選定過程についても述べています。
「監査役会が複数の監査法人と面談を実施し、その聴取内容と各監査法人からの監査業務にかかる提案の内容等について比較検討を行うとともに、社内関係部門への意見聴取の内容をも踏まえたうえで審議し、EY新日本有限責任監査法人は、沿革、監査実績、監査における独立性と高い品質管理体制およびグローバルな監査体制を有していること、更に同監査法人のグローバルな視点での監査により当社グループ全体のガバナンス体制の更なる強化についても寄与することが期待できるとした結果を受け、当社の会計監査人として適任であると判断したものであります。 」
現監査人の就任年は、2017 年です(会計監査人として)。2009 年6月 に任意監査契約を締結。
5.不二精機(東証スタンダード)
公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
仰星監査法人→清稜監査法人、の交代です。
「監査継続年数、当社の事業規模に適した会計監査人としての専門性、独立性、品質管理体制及び監査費用の相当性などを総合的に勘案した結果」とのことです。
清稜を選んだ理由。
「監査役会が清稜監査法人を会計監査人の候補とした理由は、当社の事業規模に適した会計監査人としての専門性、独立性、監査品質の確保、監査計画及び監査体制の適切性を有し、会計監査が適正かつ妥当に行われることを確保する体制を整えているためです。さらに、監査費用について総合的に勘案した結果、当社の会計監査人として適任であると判断しております。」
現監査人の就任年は、2010年です。
6.ベビーカレンダー(東証グロース)
公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
爽監査法人→東光監査法人、の交代です。
「M&A などによる当社の事業規模の拡大に伴いここ数年監査報酬が増額傾向にある中で、M&A等による先行投資を行う当社の財務状況を鑑みて、当社の企業規模に応じた監査報酬水準を維持できることに加えて、新たな視点での監査が期待できるということ、当社の企業規模に適した監査対応の観点にて検討を行い、専門性、独立性、 品質管理体制及び監査実績等を総合的に勘案した結果」とのことです。
東光監査法人を選んだ理由。
「当社の監査役会が東光監査法人を候補者とした理由は、現在の監査品質を維持しつつ当社の企業規模に応じた機動的な監査が期待できることに加えて、監査報酬等について総合的に勘案した結果、当社の公認会計士等として適任であると判断したためであります。」
現監査人の就任年は、2024 年です。(1年しかもたなかった? 1年なのに「ここ数年監査報酬が増額傾向」?)
7.ヘッドウォータース(東証グロース)
公認会計士の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
爽監査法人→興亜監査法人、の交代です。
爽監査法人の側から契約更新辞退の申し出があったそうです。
「再任に至らなかった理由と致しましては、監査業界を取り巻く環境が変化する中で監査品質を確保した監査業務を提供するにあたり人員確保が困難であるとの判断により、爽監査法人から契約更新の辞退の申し出があった結果であります。」
興亜監査法人を選んだ理由。
「当社の監査等委員会が興亜監査法人を候補者とした理由は、同監査法人の監査実績や監査報酬が当社の事業規模に適していること、また、同監査法人を起用することにより新たな視点での監査が期待できることに加え、専門性・独立性・品質管理体制等の観点から監査が適正に行われると評したことから、適任と判断したためであります。」
現監査人の就任年は、2022 年です。
8.バルコス(名証ネクスト)
会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
新月有限責任監査法人→監査法人ハイビスカス、の交代です。
「当社グループの事業規模等に適した監査対応等、及び監査費用の相当性を総合的に検討した結果」とのことです。
ハイビスカスを選んだ理由。
「監査役会が監査法人ハイビスカスを会計監査人の候補者とした理由は、過去に当社の監査を担当し、当社の業務内容を深く理解しているとともに、これまでの実績と品質管理体制も十分完備されており、当社の会計監査人として適任と判断したためであります。」
現監査人の就任年は、2024 年です。(1年で交代?)