日本公認会計士協会は、監査基準委員会報告書第36号「監査調書」の公開草案を、2006年10月24日付で公表しました。
国際監査基準ISA230 "Audit Documentation"に対応する指針になります。
従来の指針との変更点は、「公開草案の概要」にまとめられています。
5つの論点が挙げられていますが、その中では以下の点が重要だと思います。
1.「経験豊富な監査人」という考え方の導入
今までは実際に監査をやった者の説明を聞いて、監査手続や結論がわかる程度の調書でよかったものが、公開草案では、その監査に関与していない「経験豊富な監査人」がわかるレベルまで監査調書を整備しなければならなくなりました。(ということは会計士協会のレビューアーや金融庁の検査官(専門能力のある人に限る)が閲覧して、理解できるレベルの調書を作る必要があるということです。)
2.最終的な整理の期限
監査調書は監査報告書日から60日以内に整理を完了し、それ以降の変更は変更の理由も添えて逐一記録しなければなりません。従来は特に期限は定められていませんでした(といっても翌年度の監査が本格的に始めるまでには普通整理しているはずですが・・・)。。
これと合わせて、以下の監査基準委員会報告書と品質管理基準委員会報告書の改正案(監査調書に関する項目を追加したり修正したりするもの)も公表しています。
監査基準委員会報告書
・第17号「中間監査」
・第30号「評価したリスクに対応する監査人の手続」
品質管理基準委員会報告書
・第1号「監査事務所における品質管理」
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