会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

(社説)性懲りもない三菱電機の不正(日経より)

(社説)性懲りもない三菱電機の不正

三菱電機の検査不正問題その他の不祥事を取り上げた日経社説。

開示の問題にも最後の方でふれています。

「...今回、疑問なのが問題公表の手順だ。同社が空調装置の検査の問題点を認識したのが6月14日で、同25日には経済産業省にも報告済みだ。ところが、同29日の株主総会ではこの問題を報告せず、翌30日にようやく公表した。

株主への情報公開をあえて遅延させたのであれば、責任は重い。同社の取締役会は元外務次官など大物の社外取締役が居並ぶが、形だけ整えても意味がない。...」

株主総会だけでなく、有価証券報告書にも全く開示(例えば後発事象注記として)がありません。法定開示をないがしろにしているといえるでしょう。

総会前に、取締役には個別に説明していたようです。

三菱電機、社長発言を訂正 取締役会開催せず 不正報告見送り巡り(毎日)

「三菱電機は3日、2日に開いた鉄道車両向け機器の検査不正に関する記者会見での杉山武史社長の発言を訂正すると発表した。6月29日の株主総会で不正の報告を見送った判断について「(総会の)前日に取締役会の皆さんにも諮った」と説明していたが、取締役会は開かれておらず、協議はしていないと改めた。」

「同社は「取締役に個別に見解を説明した上で、社長ら執行役の判断で公表を控えたことを伝えたものだった」とした。」

7 月 2 日の記者会見における弊社杉山の発言内容の訂正について(三菱電機)(PDFファイル)

「会見の場において、杉山から、6 月 29 日開催の第 150 回定時株主総会で当該問題を株主の皆さまへご説明しなかった理由について、「情報不足の中で公表することは望ましくないとの執行役の判断を、株主総会の前日に取締役会に諮り了承を得たので、公表しなかった」旨の発言をいたしましたが、6 月 28 日に取締役会は開催されておらず、本件についても協議しておりません。

情報不足の中でご説明することは望ましくないということを取締役には個別に説明した上で、執行役の判断で公表を控えたことをお伝えしたものです。」

社外取締役も含めてだれも、総会前に発表すべき、有報も注記追加などすべきと、執行部にアドバイスしなかったのでしょうか。

また、会計監査人(あずさ監査法人)には、総会前・有報提出前に説明はしたのでしょうか。会計監査人も、一応、会社の機関なのですが...。
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