AI監査と無人運転(記事冒頭のみ)
AIがさらに進歩すれば、人手を介さない自動監査も荒唐無稽ではなくなるが、そうなっても会計監査の最後の段階では監査人の判断が必要だというコラム記事。
「大手の監査法人が会計データの誤りを検知したり、不正を見抜いたりするために、人工知能(AI)を積極的に使い始めた。人手に頼る部分が多かった数値の仕分けや在庫のチェックといった作業は、どんどん自動化されているようだ。」
「AIの性能がさらに高まれば、 人手を介さない「自動監査」も荒唐無稽ではなくなる。士業としての会計士の存在意義は大きく揺らいでしまうのではないか。」
「確かにAIは監査にかかわる事務作業をおおいに省人化 した。しかし、最後に全体として財務諸表の確かさを保証する判断は、人が下す。」
クルマの自動運転で、高速道路は無人運転が可能でも、自宅までの狭い道では、ブレーキを踏んでくれる人がいてほしいのと同じなのだそうです。
しかし、そもそも、AIによる会計監査は、自動運転ほどにも進歩していないし、近い将来、自動運転と同じくらいのレベルに達することは難しいのでは。最終段階だけでなく、最初から最後まで、人間が面倒を見ないと、機能しない(というよりAIを使えるのは監査のごく一部の局面だけ)というのが、現状のAI監査でしょうし、それはしばらくは変わらないでしょう。会計士の存在意義を揺るがすようになるのは、まだ先の話でしょう。
(それとも、ビッグ4事務所のどこかの研究所で、最終段階だけ人が判断すればいいような自動監査システムが完成しつつあるのでしょうか。)