アメリカナスというブラジルの小売業の会社の会計不正発覚を受け、議会で対策が議論されたという記事。
「ブラジル連邦議会の委員会は4日、小売事業を展開するアメリカナスによる数十億ドル規模の不正行為が明らかになったことを受け、金融市場における説明責任を強化するための対策を提案した。
アメリカナスを巡っては、レオナルド・コエリョ最高経営責任者(CEO)が6月に議会で証言し、法律顧問による独立報告書の結果、元役員や監査法人などが財務諸表の不正な修正に関与した疑いがあると述べていた。」
この会社は、今年1月に破綻しています。
「ブラジル小売り大手ロジャス・アメリカナスは19日、リオデジャネイロ州の裁判所に会社更生手続きの適用を申請したと発表した。負債総額は430億レアル(約1兆円)。200億レアル規模の不正会計疑惑の表面化によって、急速に経営状況が悪化していた。」
新しいCEOが議会で証言したときの記事。
Brazil's Americanas accuses former executives, banks and auditors of aiding fraud(ロイター)
元役員、銀行、監査事務所が不正に改ざんされた財務諸表に関わっていたとする報告書が、会社の依頼した法律顧問から出されて、今の経営者が、議会で彼らを批判する証言を行ったそうです。
Top management at bankrupt Brazilian retailer Americanas (AMER3.SA) slammed former executives, banks, and audit firms on Tuesday after a report by the company's legal advisers alleged their involvement in "fraudulently altered" financial statements.
サプライヤーとの取引で不正があったようです。ブラジルのKPMGとPwCが、会社の依頼を受けて、不正を見逃していたようです。KPMGとPwCは、守秘義務などを理由にコメントを拒否しています。
CEO Coelho testified to a congressional committee that the report documents the fraud, and that purchase financing operations known as forfeit debts were not seen by any board members.
Coelho noted that firings of those involved started on Monday and were continuing on Tuesday.
He added that audit firms KPMG and PwC in Brazil allowed the amendment of letters on the request of the company's management, in order to eliminate inconsistencies in financial statements.
KPMG and PwC said they were unable to comment on client issues because of confidentiality clauses and professional secrecy rules.
こちらの記事に、不正の内容が少し詳しく載っています。日本でいえば、仕入れ先に負担させる販促協賛金を不正に計上していたというようなことなのでしょう。
《ブラジル》アメリカーナス、不正行為の存在認める=架空の広告代巨額累積(2023年6月)(Yahoo)(ブラジル日報配信)
「不正会計の主な原因は共同広告の予算契約や同様の手段(VPC)という、製造業者が大量注文に対して割引を約束する小売業界では一般的な慣行だ。サプライヤーはアメリカーナスの広告に社名を出すことで製品購入時に割引を与えるはずだったが、実際には割引は行われていなかった。また、以前の経営者たちがサプライヤーへの支払いのための融資契約を経営審議会に知らせずに結んだために負債が増加。会計処理も不正な形で行われていた。
この不正が積み重なり、217億レアルが不正に水増しされていた上、その他にも36億レアルの不正があったという。この額は2010年にカリフールで同様の問題が発生した際に記録した12億レアルの約20倍だ。」
「サプライヤーへの支払いのための融資契約」というのがよくわかりませんが、実際は金融機関からの融資なのに、買掛金として見せていたというようなことなのでしょうか(そのくらいなら監査人が容認することもありそう)。そうではなく、完全に簿外債務にしていたのなら、すごい粉飾ですが...
日本でもこういうことがありました。
ダイエー恥部と経産省大罪 再生機構恐れた本当の理由 (2004年10月25日号)(朝日)
「売り上げが落ちる中でダイエーは黒字を確保しようと、さまざまな無理を重ねた。その一つがリベート問題だという。
リベートは流通業界に一般的な商慣行だが、ダイエーの場合、まだ売っていない商品の「前借りリベート」に頼る傾向が強かった。翌年度の販売契約を納入業者と結んでも、前年度の決算期にリベートだけを先に手にする手法だ。実際に商品を売らなくても、リベートとして収入を先に確保できる、いわば「禁断の果実」だ。...
しかも、通常は販売額の1.8%程度とされるリベートを、ダイエーは場合によっては3%も納入業者に求めたりした。数年間にわたって積み重なった前借りリベートは一時100億円を超えた。」
これは明らかな粉飾ですが、摘発されることはありませんでした。日本のコンプラはブラジル以下なのでしょう。