麻生太郎財務相兼金融担当相の13日の閣議後記者会見の記事。
西村康稔経済再生担当相が酒類提供停止に応じない飲食店に対し、金融機関から圧力をかけさせる方針を表明(後で撤回)したことについて聞かれていますが、同じ記者会見のなかで矛盾することを述べているようです。
麻生大臣はイタリア訪問中の8日(日本時間では9日)に金融庁秘書官から、この件について報告を受けたそうですが...
「麻生氏は「(普段、金融機関に対して)こっちは融資してくださいって言っているのに、融資止めろって言ってるんだろ。普通に考えてもおかしいし、意味がよく分からなかった」と指摘。西村氏の発言については「本来の趣旨を十分伝えられていない。特定の飲食店への融資を制限するという趣旨では全くなくて、多くの事業者と接点がある金融機関に対して、飲食店に限らず広く取引先に対して、一般的な感染対策を呼び掛けるというのがもともとの趣旨だったと思う」と述べた。」
「こっちは融資してくださいって言っているのに、融資止めろって言ってるんだろ。普通に考えてもおかしい」ということは、融資をストップさせてでも従わせるという趣旨だと理解していたということになります。「一般的な感染対策を呼び掛けるというのがもともとの趣旨」という理解とは、全く矛盾しており支離滅裂です。内閣の中で総理に次ぐ実力者なのですから、「普通に考えてもおかしい」と思ったのであれば、すぐにやめさせるべきでしょう。秘書官に「そんなの放っておけ」と指示したそうですが、あまりにも無責任です。
ところで、金融庁は、緊急事態宣言やその延長の都度、事業者の資金繰り支援に関して、金融機関に対する要請文書を公表していますが(例えば6月10日付のもの)、今回は出ていません。きっと、酒類提供停止に応じない飲食店への働きかけ要請を含む内容のものを用意していたのだと思いますが、今回の騒動で出せなくなったのでしょう。
酒停止「広告扱いで留意を」 西村担当相、メディアにも圧力?(時事)
「発端は8日夜に開かれた西村氏の記者会見。配布資料には、酒類提供を停止しない飲食店への対策として、▽金融機関を通じた順守の働き掛け▽酒類販売事業者への取引停止依頼―と併せ▽メディアや広告で扱う際、飲食店の順守状況に留意するよう依頼を検討―が盛り込まれた。
メディアなどへの依頼については、違反した店舗の広告掲載への配慮を求めるだけではなく、そうした店舗の状況に関する報道に注文を付けようとしているとも受け取れる。14日の衆院内閣委で、野党は「報道するかどうかはマスコミの自由ではないか」と批判した。」
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