会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

東芝前社長「工夫しろ」と指示 不適切会計を誘発か(朝日より)

東芝前社長「工夫しろ」と指示 不適切会計を誘発か(記事前半のみ)

東芝の前社長(現副会長)が社長当時、粉飾を指示したともとられかねない発言やメールをしていたという記事。

「東芝が過去の決算で不適切な処理をしていた問題で、当時社長だった佐々木則夫副会長(66)が、予定通りの利益を上げられない部署に、会議の場やメールで「工夫しろ」と指示していたことが、9日、関係者の話でわかった。」

「第三者委は、社内メールなどをもとに社員らを聴取して確認した模様だ。聴取を受けた社員らは、発言を「会計を操作しろ」という趣旨だと受け止めたと話しているという。」

会計士業界では、今年の流行語になるのでは・・・。

監査でも、会社の会計処理はおかしいといってきた補助者に対し、責任者が(会社の処理を認めてもよいような)理屈を「工夫しろ」とか、(目立たないように)監査調書の書き方を「工夫しろ」と発言すると、誤解されるようになるかもしれません。

こちらは現社長が圧力を加えていたという記事。

東芝不適切会計:社長が幹部にメール、電話で圧力(毎日)

「同社の関係者によると、田中社長は各事業を取り仕切る幹部などに対し、早朝に電話をかけて「何で予算を達成できないんだ」と迫ったり、メールで「売上高をもう少し上げろ」「利益を早く上げろ」などと要求したりすることがあったという。前社長の佐々木則夫副会長も同社関係者に業績改善を強く求めていたことが明らかになっており、既に取締役を退任する方向で最終調整している。」

単に「予算を達成しろ」というより、やはり「工夫しろ」の方が、あやしい感じです。

東芝不適切会計、捜査当局“重大関心” 「『工夫しろ』と指示」報道(夕刊フジ)

東芝:強まる辞任論…社長が圧力 歴代トップ目標達成迫る(毎日)

「証券取引等監視委員会が今年2月に検査に入り、不適切会計問題が発覚して既に約5カ月が経過。東芝社内では当初、「会計上の技術的な問題にすぎない」(幹部)と事態を楽観する空気もあったが、調査が進むごとに利益のかさ上げ規模が拡大、粉飾まがいの悪質な手口も判明している。「

粉飾の範囲を狭く考えていたのでしょうか。在庫水増しや架空売上のような典型的な粉飾だけでなく、「技術的な問題」のようにも見える、見積りを操作するといった不正も、それで決算数値が動く以上、立派な粉飾です。

「東芝は今月中旬をめどにまとまる第三者委の調査結果を踏まえ、経営責任を明確化する方針だ。社内の主要部門で不適切会計の横行を招いたことに加え、後手に回る調査や情報公開の姿勢に「あまりにお粗末だ」(政府関係者)と社内外の批判は強まっている。」

正式発表まで、リークによる報道がまだまだありそうです。
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