会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

電力9社、原発維持に1兆2千億円 12年度稼働は2基(朝日より)

電力9社、原発維持に1兆2千億円 12年度稼働は2基

電力9社が2012年度の「原子力発電費」として、約1兆2千億円を計上するという記事。

「東京、関西電力など原発を持つ9電力会社が2012年度に原発維持のために合わせて約1兆2千億円をかける見通しになった。国内の原発50基は関電大飯原発(福井県)の2基しか動いていないにもかかわらず、中国電力の1年間の売上高に匹敵する。」

「電力会社には「原子力発電費」という費用があり、原発を動かさなくても必要な維持・管理のための修繕費、そのための人件費などが盛り込まれている。9電力が12年4~12月に使った原子力発電費は計7876億円に達した。」

この費用の会計処理を考えてみると、将来原発を稼働させるのであれば、現時点での債務ではないので、実際に発生していくに応じて費用計上していくのでしょう。しかし、稼働の見込めない原発の維持費用ということになれば、将来見込まれる金額を一挙に費用化することが必要になりそうです。

「さらに東京、関西、中部、北陸、東北の5電力は原発専業会社の日本原子力発電(東京)から電気を買い、「購入電力料」として12年4月から半年間で計757億円を支払った。

 日本原電の原発3基は12年度はすべて止まっている。それでも5電力は長期契約を結んでいるため、日本原電の原発維持などのために払い続けている。」

5つの電力会社からすれば、日本原電から将来電力を購入する権利を維持するための費用ということになる(したがって各年度の費用になる)のでしょうが、日本原電の発電所が再開せず、かつ、再開しない場合でも契約上支払いを継続しなければならないのであれば、その将来支払わなければならない金額を、現時点で一挙に引当すべきでしょう。将来の支払いに見合う財貨が得られないのですから、当然そういう理屈になります。

各電力会社の監査人には、「職業的懐疑心」を十分に発揮して、監査していただきたいと思います。

電力業界:原子力委員NPOに1800万円 震災後(毎日)
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事