「水谷建設」の脱税事件で、東京地検特捜部が、準大手ゼネコン「前田建設工業」の名誉会長や副社長らから、一斉に事情聴取を始めたという記事。
「水谷建設が02年に佐藤栄佐久・福島県知事の実弟企業の旧本社跡地を約9億円で購入し、不当な高値だと指摘された問題では、前田建設が前年、この土地を担保にして実弟企業に4億円を融資していた。」
水谷建設は前田建設の下請け業者です。仮にこの9億円の土地購入費が水増しされたものであり、かつその水増し分が、前田建設から外注費などのかたちで水谷建設に流れたものだとしたら、前田建設から知事の実弟企業への4億円の貸付金について、実質的に債権放棄していたことになります(税務的には寄付金になる)。会計的には、寄付金を工事原価として未成工事支出金に計上していたならば、利益の粉飾です。また、そもそも4億円の貸付金自体が、正当な取引だったのかも問われます。
前田建設の規模からして、過年度の決算を修正しなければならないほどの問題ではないかもしれませんが、トップが裏金づくりに関与していたとしたら、経営者レベルの内部統制に大きな問題があるといえます。
当社への東京地検特捜部の家宅捜索について
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