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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

新日本監査法人、業務改善計画を提出(日経より)

新日本監査法人、業務改善計画を提出

新日本監査法人が金融庁に業務改善計画を提出したという記事。昨年12月に出された業務改善命令で、「経営に関与する責任者たる社員を含め、責任を明確化すること」「外部の第三者の意見も踏まえ、改めて抜本的な業務改善計画を策定すること」などとされていることに従ったものです。

「経営会議や監査の質をチェックする専門委員会などに外部有識者8人を招き、監査体制を立て直す。」

新理事長のコメントも載っています。

「2月1日付で新理事長に就く辻幸一氏は東芝の不祥事を見抜けなかった背景について「地位に安住し、組織改革をする意識が希薄だった」と述べた。監査を担う会計士の業務を監督、指導する委員会もつくる。」

新日本監査法人のプレスリリース。

業務改善計画の提出について

「弊法人は、監査品質の向上と課題の抜本的解決のため、ガバナンス機能の強化、組織体制の変更、組織風土の改革、人事制度の改革、及び監査現場の改革等の施策を速やかに断行いたします。」

「業務改善計画の概要」という資料によると、透明性が確保されたガバナンス、現場に密着した監査品質管理、監査品質重視の組織風土の醸成が、3 つの改革の柱だそうです。

その中から一部抜粋。

「弊法人のガバナンスの透明性を高めるため、社外の有識者3 名で構成された社外ガバナンス委員会を設置します。 社外ガバナンス委員会は、 経営会議に参加することなどを通じて第三者の観点から経営執行を監視します。」

(このほか理事長等の選任方法についてもふれています。)

「事業部・地区ブロックに監査品質管理委員会を設置し、監査品質管理委員会が日常的なモニタリングを行うことにより、現場に密着したフロントにおける品質管理を強化します。」

「事業部・地区ブロックにおける監査品質管理委員会と各本部のそれぞれから情報を包括的に収集し、不正の懸念がある事案を含めたリスクが高い事案への対応力を強化するため、 経営会議直轄の監査品質監督会議を設置します。

また、 不正の検出前における対応を強化するために、 品質管理本部内に不正リスク対策部を設置します。」

「新たな視点から監査業務に従事することを目的として、社員のローテーションについて見直しを行います (5 年間インターバル、筆頭業務執行社員のノーリターン)。 また、職員についても、監査チームの固定化を排除し活性化すること及び職員に多様な監査経験を積ませることを目的として、ローテーションを制度化します。」

「弊法人の風土に関する課題を識別し対応するため、 経営会議直轄の組織風土改革特別委員会を設置します。 組織風土改革特別委員会の委員として、外部から3 名を招聘し、そのうち1 名に委員長に就任して頂きます。」

「過去の不正事案に関する根本原因(監査技術的な事項を除く)について、社外の第三者1 名を含む検証チームを立ち上げ、 弊法人で識別している根本原因の分析が適切かどうかについて、 専門的かつ客観的な観点からの検証を行います。 検証結果については、進捗に応じて経営会議に報告し、追加的な対応を行っていきます。」

「監査品質を重視し、ビジネスを理解しリスクを見極めることができる人財を高く評価するように評価基準を見直します。

また、 変化に対応できない社員の退職勧奨に関する仕組みの構築を検討します。」

やたらと新しい組織を増やしているだけのような感じもしますが...。品質管理が忙しくて、監査をやる時間が無くなるということがないことを期待します。

当サイトの関連記事(新日本監査法人への処分について)

金融庁プレスリリース(2015年12月)より。

「4.業務改善命令の内容

(1)今回、東芝に対する監査において虚偽証明が行われたことに加え、これまでの審査会の検査等での指摘事項に係る改善策が有効に機能してこなかったこと等を踏まえ、経営に関与する責任者たる社員を含め、責任を明確化すること。

(2)その上で、外部の第三者の意見も踏まえ、改めて抜本的な業務改善計画を策定すること。また、改善策を実施するにあたり、その実効性につき、経営レベルの適切な指導力の発揮の下、組織的に検証する態勢を構築するとともに、不十分な対策が認められた場合には、必要に応じて追加的な改善策を策定・実行すること。

(3)品質管理本部に加え、監査の品質改善業務を担っている各事業部の責任者等は、監査チームに対し、業務改善策が浸透・定着するよう、より主体性と責任を持って取り組むこと。

(4)審査体制の機能を強化することに加え、監査実施者が、監査チーム内で十分な情報共有・連携を確保するとともに、求められる職業的懐疑心を保持し、深度ある分析・検討を行う態勢を構築する観点から、監査法人内の人事管理研修態勢を含め、組織の態勢を見直すこと。

(5)今回の事案の発生及び審査会から行政処分の勧告が行われるに至った背景として、監査法人の風土及びガバナンス体制等の面でいかなる問題があったのかを検証し、上記業務改善計画の中で改善に取り組むこと。

(6)上記(1)から(5)に関する業務の改善計画を、平成28年1月31日までに提出し、直ちに実行すること。

(7)上記(6)の実行後、当該業務の改善計画の実施完了までの間、平成28年6月末日を第1回目とし、以後、6か月ごとに計画の進捗・実施及び改善状況を取りまとめ、翌月15日までに報告すること。」
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