IFRS変わる決算書 あずさ「為替影響、発生要因で分類」識者に聞く③(記事冒頭のみ)
4月に公表されたIFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」(→当サイトの関連記事)について、識者に聞く連載の第3回です。
あずさ監査法人のパートナーに聞いています。
実務面で注意が必要な点として、金融収益・費用への影響、とくに為替差額と支払利息を挙げています。
為替差額(差損益?)については...
「「外貨建て取引に伴う為替差額は、現状の実務では為替差益と差損を相殺した純額で金融収益・費用の科目に一括表示している企業が多い。新ルールでは原則、為替差額の発生要因の項目が含まれる収益・費用と同じ区分に計上する。例えば、外貨建て売掛金の為替影響は営業区分に、外債投資に伴う為替影響は投資区分に、外貨建て借入金の為替影響は財務区分に計上する」」
売上や仕入(売上原価)までは「営業」で、売掛金・買掛金などになった後は「財務」というわけにはいかないようです。もっとも、日本基準は、例えば、売掛金の貸倒損失・引当金繰入額は営業費用(特損や営業外になったりすることもありますが)、外貨建売掛金の為替差損益は営業外となっており、首尾一貫していないともいえます(貸倒による目減りは営業、為替変動による目減りは財務的費用として営業外になっている)。IFRS第18号の方が、面倒だけれどもよく考えられているのでしょう。
支払利息への影響については、退職給付費用や、リース負債から発生する支払利息の扱いにふれています。