横浜市の電気機械製造販売会社の前社長が、会社法違反(会社財産を危うくする罪)の疑いで逮捕されたという記事。会社の現金や株式など、計約21億4千万円相当を株信用取引に使ったとのことです。
「同地検によると、加藤容疑者は05年7月~07年8月、営業上必要がない株の信用取引のために、経営する株式会社保有の現金約5億4千万円と株式など時価計約16億円相当を116回にわたって証券会社に預託し、会社財産を処分した疑いがある。
加藤容疑者の社長在籍は02年9月~07年9月。現社長が同地検に相談して発覚した。同地検によると、株売買は500回以上にのぼり、取引額は100億円を超える。これまでに少なくとも約4億円の損害が出ているという。」
会社法をひもとくと963条で以下の規定になっています。
「 (会社財産を危うくする罪)
第九百六十三条
第九百六十条第一項第一号又は第二号に掲げる者が、第三十四条第一項若しくは第六十三条第一項の規定による払込み若しくは給付について、又は第二十八条各号に掲げる事項について、裁判所又は創立総会若しくは種類創立総会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(2~4項省略)
5 第九百六十条第一項第三号から第七号までに掲げる者が、次のいずれかに該当する場合にも、第一項と同様とする。(注:取締役は960条1項3号)
一 何人の名義をもってするかを問わず、株式会社の計算において不正にその株式を取得したとき。
二 法令又は定款の規定に違反して、剰余金の配当をしたとき。
三 株式会社の目的の範囲外において、投機取引のために株式会社の財産を処分したとき。」
特別背任罪(960条)と比べて微妙な違いがあるようです。特別背任のような「自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的」の有無は問われないのでしょう。懲役の長さと罰金の大きさは特別背任の半分です。
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