原告側「警視庁による捏造」と主張 大川原化工機国賠訴訟が結審
「大川原化工機」の冤罪事件で、被害に遭った社長らが、国と東京都に約5億5700万円の賠償を求めた訴訟が結審したという記事。
「原告側は「真相は警視庁による事件の捏造(ねつぞう)。検察は見切り発車的に起訴を断行した」と最終陳述し、国と都は「犯罪の容疑があった」と反論して結審した。」
「訴訟では、逮捕・起訴の違法性が争点となり、証人尋問で捜査を担当した警視庁外事1課の現職警部補が「(事件は)捏造です」と証言する異例の経過をたどった。
原告側は最終陳述で、警視庁は熱風を当てることで菌を殺すことができる装置だとして捜査したが、同社の装置には温度が上がらずに殺菌できない部分があったと指摘。逮捕前に同社側からこの申告があったのに、警視庁は黙殺し、東京地検もチェックを怠ったとした。また、警部補の「捏造」証言は客観証拠と矛盾せず、信用性があるとした。」
こちらは原告側の弁護士に話を聞いた記事。
公判4日前に起訴取消し、それでも「謝罪はしません」と強弁した東京地検・女性検事の行状【大川原化工機冤罪事件】(デイリー新潮)
警察・検察は、自分に不利な証拠は完全に黙殺していたようです。
「高田剛弁護士(和田倉門法律事務所)が9月8日に裁判所に提出した最終準備書面を読むと、異例の「起訴取り消し」となった冤罪事件の構図がよくわかる。
7月5日の証人尋問で「判断は間違っていなかった。同じ状況なら起訴する」と強弁し、謝罪も拒否した塚部検事の部分について、一部引用する。
《塚部検事は、複数の原告会社従業員から温度が上がりづらい箇所の指摘があった旨、とりわけ熱風の行きわたらない乾燥室測定口の温度が上がりづらいことの報告を応援検事から受けたにもかかわらず、温度が上がりづらい箇所があったとしても噴霧乾燥機内部の湿度は一様に下がるのだから問題ないとの独自の理屈により原告会社従業員の指摘を黙殺し、その詳細の確認、追加捜査の指示など、温度の上がりづらい箇所の存否に関する捜査を一切行わなかった。》
《塚部検事はまた、時友(仁)警部補より、経済産業省が当初は殺菌解釈や判断基準を有しておらず、噴霧乾燥機業界全体としても輸出許可実績が藤崎電機の一件あるに過ぎないとの報告を起訴前に受けた。塚部検事は、経済産業省が該否基準を犯行当時定めていないのなら公判を保つことができないなどと時友警部補を責める一方で、経済産業省やシステック(筆者注:一般財団法人安全保障貿易情報センター)職員への確認、立法過程の精査など、本件要件ハ(同:定置状態で装置の滅菌ができること)の解釈に関する追加捜査を一切行わなかった。》
《こうして、法令解釈、殺菌性能の両面において従前把握していなかった重要な事実が顕出されたにもかかわらず、令和2年3月31日、塚部検事は、原告大川原らの身柄拘束を続けたまま、原告会社らの起訴を断行した。》
時友警部補は6月30日の証人尋問で「(宮薗勇人警部に)事件潰れて責任取れんのかというのをずっと言われて」いたなどと証言した。」
殺人、傷害、窃盗などの事件であれば、(狂言でなければ)事件自体の存在は、確実であり、犯人を見つけることが重要になるわけですが、この事件では、事件そのものが存在しないものだったようです。
事件の存在自体からスタートするという点では、いろいろな会計不正事件と共通しています。会計不正も、そもそも会計基準違反がなければ、事件にはならないはずですが、まれに、違反がないか、違反なのかどうかはっきりしていないグレーゾーンなのに、事件になってしまうことがあるようです。専門家集団である証券取引等監視委員会が、そういう場合にストップをかけてくれるかと思えば、トップが検察上がりであるだけに、あまり期待はできません。