freeeがマネーフォワードを特許侵害で訴えていた裁判の第1審で、マネーフォワード側が勝訴したという記事。
「マネーフォワードでは、freee側がマネーフォワードの持つ技術についての十分な検証を実施せず、特許を侵害していないとする実例に対して具体的な反論もないことから、早期終結につながったと分析している。なお、freeeは提訴の6カ月後に、別特許の侵害も主張したが、タイミングが遅すぎたとのことで裁判所から却下されている。」
「裁判の争点となったのは、キーワードと勘定科目の関連付けに関するもの。freeeでは、キーワードと勘定科目との対応付けを保持する「対応テーブル」を内部に抱えている。これを参照し、特定の勘定科目に自動的に仕訳している。また、各取引内容の記載に対して、複数のキーワードが含まれる場合に、キーワードの優先順位を決定する「優先ルール」も搭載している。freeeは、対応テーブルと優先ルールの2点において、特許侵害を主張していた。
ただし、マネーフォワードによると、勘定科目の仕訳は全く異なる技術を使用しているという。同社では、機械学習を用いて2000万件以上の実際の取引データと仕訳の組み合わせを学習させ、生成された勘定科目提案アルゴリズムにもとづいて仕訳している。このため、対応テーブル形式の場合、事前に設定されていない取引だと、勘定科目を提案できないが、アルゴリズムを使用した場合では、過去データに存在しない明細の取引でも、勘定科目の提案が可能となる。」
マネーフォワード側の説明を聞くと、同社の方法の方が優れているように感じられますが...
freee側の言い分は...
↓
マネーフォワード勝訴に対してfreeeは何を思うのか--佐々木代表に聞く(CNET)
「佐々木氏 ...
今回の裁判は、“機械学習 VS 対応テーブル”と主張されていますが、そこには語弊があります。freeeは機械学習も活用していますし、会計ソフトで機械学習を使った自動仕訳機能の特許を持っています。今回、それは争点にはなっておらず、もう一つ手前にある「自動仕訳をするかしないか」というコアの部分、自動仕訳そのものの考え方に関する特許です。機械学習をするかどうかで争っていないのです。」
「――クラウド会計ソフトについては、プレーヤーも多く競争が激しくなっていますが、特許戦略は今後も重視していくのでしょうか。
佐々木氏 特許戦略を重視するというよりは「独自技術を重視する」ことになります。きちんと独自に技術を作っていくことを重視しています。ですので、何でもかんでも特許を取得して守ろうとするのではなく、事業やプロダクトのコアになる部分について、ビジネス全体で考えたときに重要だと思ったことに関しては、しっかり取り組んでいくというシンプルなことです。」
フリーからの特許侵害訴訟で勝訴 ~東京地裁平成29年7月27日判決~(マネーフォワード)
「当社は、今後も、サービス開発にあたっては他社の知的財産権を尊重するとともに、自社の知的財産の保全と有効活用に努めてまいります。一方で、模索的濫訴または不当に権利範囲を拡大解釈して権利行使を行うような、業界の健全な発展を妨げる権利行使に対しては、毅然と対応していく所存です。」
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事