海外の宿泊予約サイトへの手数料に関連する消費税の申告ミスが相次いでいるという記事。
「訪日外国人観光客は年々増え、ネットを通じて日本のホテルの宿泊予約や各種チケットの購入を行う客も多い。海外のサイト運営業者にホテルや旅行会社が手数料などを支払った際の税務処理をめぐり、ミスが相次いでいる形だ。」
「海外業者へのこうした手数料の支払いには消費税が課税されず、仕入れ税額控除もなかったが、15年度の税制改正で、海外業者が宿泊予約やゲーム、広告配信といったネットサービスを国内業者に提供したとき、その対価に課税し、国内業者に納税させる「リバースチャージ方式」がスタートした。ネットビジネスの広がりを受けて欧州などでも導入が進む方式で、この場合、海外業者への支払いにかかる消費税分を仕入れ税額控除できる。
ただこの方式は、金融機関のような一部の業種を除き、多くの一般企業は現時点では適用されない。今回ミスがあった企業の多くも適用外で、海外業者への支払いにかかる消費税分を加えないまま、誤って仕入れ税額控除だけをし、消費税を本来より少なく納めていたという。」
たしか、リバースチャージというのは、海外の事業者の代わりに、そこから仕入れした国内の会社が日本の消費税を納める、その一方で、仕入税額控除も認められる(課税売上割合などにより代わりに納める消費税が全額控除できるわけではない)という制度です。そうすると、リバースチャージを適用することによって、納めるべき税金が減るということはないように思われるのですが...。
このページに関連資料へのリンクなどが掲載されているようです。
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国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について(国税庁)
「事業者向け」の「電気通信利用役務の提供」なのか、「消費者向け」のものなのか、海外の業者が「登録国外事業者」かどうかなどによっていろいろなパターンがあるようです。
(「インターネットを介して行う宿泊予約、飲食店予約サイト(宿泊施設、飲食店等を経営する事業者から掲載料等を徴するもの)」も「電気通信利用役務の提供」に含まれます。)
記事でいっている経過措置というのはこれでしょうか。
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(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/cross-kokunai.pdfより)