テックビューロの仮想通貨流出事件で、金融庁が全交換業者を対象に顧客の財産管理状況の一斉調査に着手したという記事。
コインチェックと違って、登録済み業者で起こった事件だけに、「利用者の不安が広がるのは必至だ」とみています。
テックビューロはどういう会社か...
「テックビューロは2014年6月に設立。17年9月、金融庁から交換業者として登録が認められた。近年の仮想通貨取引の急拡大に伴い、会社も急成長。昨年10月には仮想通貨技術を使った資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)で100億円以上の資金を集めたと発表し、注目を浴びた。
しかし、金融庁への登録後も同社が運営する交換所「Zaif(ザイフ)」で売買が一時できなくなるなどのトラブルが頻発。コインチェックの仮想通貨流出事件後の2月16日には、仮想通貨を0円で販売するシステムトラブルが発生するなど、セキュリティー対策の不備が露呈した。金融庁は「顧客の資産を守るための対策が万全ではない」などとして3月と6月の2回、業務改善命令を出していた。」
仮想通貨不正流出の被害の状況についてもふれています。
「警察庁によると、ビットコインなどの仮想通貨が不正アクセスによって盗み出された被害は今年上半期(1~6月)に158件あり、前年同期の3倍に急増した。1月に発覚した約580億円相当のNEM(ネム)流出を含め、被害総額は約605億円に達した。」
会社からは、21日夜に新しいプレスリリースが出ています。
仮想通貨流出事件に関する状況報告、及び顧客対応状況について
ICOで100億円集めたと発表したときのプレスリリース。これは金商法の対象ではないと判断されたのでしょうか。
テックビューロが『COMSA』ICOのトークンセールにおいて、国内初で最大の100億円を突破(2017年10月)
関連記事ほか。
仮想通貨、後絶たぬ不正流出 手口巧妙化、不備露呈(朝日)(記事前半のみ)
「仮想通貨交換業者の多額の不正流出は、1月にコインチェック(東京)で起きた約580億円分以来だ。ただコインチェックは金融庁に登録申請中の「みなし業者」で、テックビューロは登録済みの「登録業者」だ。同社CEO(最高経営責任者)の朝山貴生氏は仮想通貨普及でも知られる存在だ。仮想通貨技術に詳しい専門家の楠正憲氏は「登録制度の信頼を揺らがせる事態だ。これまで未登録事業者を使わないよう呼びかけてきたが、利用者が自己責任で仮想通貨を守るしかないとしか言えなくなった」と話す。コインチェック問題以降、低調な仮想通貨相場にも影響しかねない。」
Zaif救済「勝算がある」 金融支援、決断の背景(朝日)(記事前半のみ)
「仮想通貨交換サイト「Zaif(ザイフ)」の不正流出問題を起こしたテックビューロ(東京)に対し、約50億円の金融支援と資本業務提携をすることで基本合意したフィスコデジタルアセットグループ(FDAG、東京都港区)の田代昌之代表取締役が20日、朝日新聞のインタビューに応じた。「テックビューロには強い顧客基盤と知名度がある。内部統制などを整備すれば『勝てる』と思い、即決した」と、決断の背景を語った。」
支援する会社は、ジャスダック上場のフィスコのグループ会社だそうです。
金融支援等に向けた基本合意書締結に関するお知らせ(フィスコ)(PDFファイル)
支援の内容は「FDAG の子会社を通じた(1)金融支援の金額 50 億円、(2)最終的な株式シェア過半数以上、(3)過半数以上の取締役の派遣および監査役1名の派遣」とのことです。「正式合意を目指す検討を開始する基本合意の締結」とのことなので、詳細はこれから決まるようです。
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