会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

オリンパス:「監理銘柄」に 東証指定(毎日より)

オリンパス:「監理銘柄」に 東証指定

オリンパス株が「監理銘柄」に指定されたという記事。

「東京証券取引所は10日、オリンパスが11年9月中間連結決算の関連書類を法定期限の14日までに財務局に提出できなくなり、上場廃止の恐れがあることを投資家に周知するため、オリンパス株を「監理銘柄」に指定したと発表した。オリンパスが猶予期間である12月14日までに決算書類を提出できないと上場廃止が決まり、「整理銘柄」を経て約1カ月後に上場廃止となる。」

四半期報告制度導入により、金商法開示書類の提出期限遅れによって監理銘柄になる(ひいては上場廃止になる)リスクは倍になったといえます。会計上の不祥事が発生し、過去の決算をきちんと見直すとなれば、1カ月の猶予期間では、どうしても足りないケースも出てきます。上場廃止の基準が厳しすぎるような気もします。

オリンパスの場合は、遅くとも、2011年3月期の期首(2010年3月末)の残高が確定しないと、比較情報も含めた2012年3月期の四半期財務諸表は完成しません。そのためには、問題となっている企業買収に関連する会計処理を見直すだけでなく、約10年続いていたといわれる飛ばしスキームが2011年3月期の期首残高に与える影響も調べないといけません。それだけでも大変な作業です。

さらには、それ以前の期も訂正対象ですので、その訂正報告書作成の作業も必要となります。

相当ハードルが高いのではないかと推測されます。全体のスキームが単純なものであれば可能かもしれませんが、報道などから判断すると、どうやらそうではなさそうです。

[FT]オリンパスの上場廃止を恐れる市場(日経)

「同社は上場廃止に追い込まれる恐れもある。東京証券取引所の規定では、オリンパスは四半期末の9月30日から45日以内に決算を発表しなくてはならないため、11月14日が期限となる。当初は8日に決算発表を行う予定だったオリンパスは、14日の発表に向け取り組んでいると話す。だが、問題が1990年代にまで遡ることを考えれば、監査法人が期限までに決算のチェックを終えるのは困難だ。期限に間に合わなければ同社は1カ月間「監理銘柄」に指定される可能性がある。

 オリンパスの決算発表が14日の期限に間に合っても、同社が危機を脱したとは限らない。当局やオリンパスの第三者委員会が何らかの虚偽記載を見つけるかどうかに関心は移る。

 虚偽記載が明らかになれば、虚偽記載が上場廃止基準に抵触するかどうかは東証の判断に委ねられる。事業改善計画の提出と実施や、罰金の支払いで済む可能性もある。」

大王製紙株を監理銘柄に 東証、決算発表の延期で(共同)

大王製紙については、報道によれば、カネの流れははっきりしているようなので、オリンパスほど難しくはなさそうです。
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