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東芝のドン・西田厚聰元会長の告白「戦犯と呼ばれて」(現代ビジネスより)

東芝のドン・西田厚聰元会長の告白「戦犯と呼ばれて」

東芝の元社長・会長、西田厚聰氏へのインタビュー記事。少し前の週刊誌の記事です。関連した本が出たせいか、さかんにインタビューに応じているようです。

東芝の第三者委員会を批判した部分。

「僕はあなた方(メディア)にも責任があったと思います。第三者委員会のレポート(報告書)が出た後の報道というのは、あのレポートが正しいという前提。それを金科玉条のようにして、絶対に正しいとして、どんどん報道していったからね。

当事者には取材しないのに、第三者委員会の人のところにはずいぶんとインタビューに行ったジャーナリストもいるみたいですよ。みなさん、いい加減なことをするよね。」

「あのレポートはひどく間違っているんです。強引なシナリオに引きずり込んだ話でしてね。僕が「チャレンジ」をしたといったって、「ずいぶんマイルドだった」と会社の弁護士さんも言っていましたよ。「社員に聞いたら、そうだった」と。

「西田さんとチャレンジすると、一緒になってそのチャレンジをどうやって達成するかということを考えてくれたという風に言う人もいました」とも言っていましたけどね。事実、僕もそのつもりでやってきたんです。

(第三者委員会は2ヵ月で報告書を出したが)たった2ヵ月でできるわけがないでしょう。私が知っている(東京地検)特捜部にいた弁護士からも、「あれはひどかったみたいですね」という話を聞いていますから。

そういう風に作られたレポートを皆さんがまったく正しいとしている。会社もそれを正しいと言っているわけです。

あのような調査委員会は罰則規定がないので、勝手なことを書けてしまう。それによって罰を受けることはないんです。そして一度レポートが出されると、我々が何を言おうが言った通りには理解されない。

最近会社側から出された内部管理体制に関する報告書にしても、前提が第三者委員会のレポートが正しいということで書いている。そうである限り、僕は悪者になってしまう。だから何を言ってもねえ。」

当局の調査能力が低いせいか、会社や監査法人への処分は、基本的にこの第三者委員会報告書の筋書に沿って行われたように感じられます。だからといって、西田氏の責任がなくなるわけではありませんが。

WHの買収については、他社を批判しています。

「あの時は2回目のビッド(入札)で東芝が(WHを)購入できたにもかかわらず、そこで「思い切った価格を出したい」と言ってきて、第3回目、第4回目のビッドにまで我々を引きずり込んだ、日本の他の会社(編集部注:三菱重工業)があるんですよ。

そのために値段が吊り上げられて、結局、(当初購入できる予定だった価格の)倍になってしまった。そんな国際商慣習に反するような会社が日本に存在していたということが、もう大変な間違いなのではないでしょうか。」

4093897743テヘランからきた男 西田厚聰と東芝壊滅
児玉 博
小学館 2017-11-15

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