サッカーのスペイン1部リーグで活躍する有名選手が脱税の疑いで税務当局から告発され、捜査されることになったという記事。
「スペインの地元紙によると、メッシ選手と父ホルヘさんは2007~09年にかけて、メッシ選手の肖像権をタックスヘイブン(租税回避地)にある会社に移すように見せかけて不正な納税申告を行い、400万ユーロ(約5億円)以上を脱税した疑いがもたれている。メッシ選手はフェイスブックで「ニュースを聞いて驚いている。違反はしていないし、税理士のアドバイスを得てしっかり納税の義務を果たしている」とコメントした。」
どこの国でも有名人は当局のターゲットになるようです。
脱税の手口については、例えば、不動産の所有名義をタックスヘイブンに移しても、不動産所在地で発生する所得として普通は課税されるでしょうし、タックスヘイブンに名義を移す際にも、何らかの課税がなされるでしょう(不動産の価格は比較的はっきりしているため)。タックスヘイブンに所得を移すことは簡単ではなさそうです。
しかし、知的財産権みたいな財産は、値段もはっきりしておらず、また、財産から発生する所得も名義が存在する国で発生したとみなされるのでしょう。そうすると租税回避(脱税とまでは言えないかもしれない)は容易になります。
6月15日の日経朝刊で、G8が企業の課税回避対策を合意するという記事がありましたが、対策の課題の例の一つとして、「低税率国へ特許を移し、特許使用料の税負担回避」という項目が挙がっていました。これもたぶん同じ理屈でしょう(もちろんG8は、サッカー選手ではなくアップルのような多国籍企業をターゲットにしているはずですが)。
G8、国際企業の課税回避防止 ルール作り合意へ(日経)(記事冒頭のみ)
租税回避地の秘密ファイル公開へ 報道機関ICIJ(朝日)
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