当社連結子会社の元従業員による不正の疑いのある取引に関するお知らせ(PDFファイル)
JDSC(東証グロース)のプレスリリース(2024年11月12日)。
メールカスタマーセンターという連結子会社で、従業員による不適切取引の疑いが発覚したとのことです.税務調査がきっかけです。
「概要、判明した経緯
メールカスタマーセンター株式会社に対して 2024 年 8 月中旬から行われた税務調査の過程において、同社の元従業員により外注先に対して金額を水増しした発注を行い、キックバックを受け取っていた疑いがある旨の報告を受けました。
なお、当社は前連結会計年度(2024 年6月期)第2四半期よりメールカスタマーセンター株式会社を連結子会社化しておりますが、それ以前から過去複数年にわたり行われていた疑いがあります。」
外部専門家と連携して調査中とのことです。
しかし、(見切り発車なのか)「2025 年6月期第1四半期決算短信」は、同日付で公表しています。
重要な影響がないことを確かめているのでしょうか。
決算発表のFAQで、この問題についてふれています。
2025 年 6 月期 第1四半期決算発表 FAQ(JDSC)(PDFファイル)
「Q.メールカスタマーセンター社の元従業員による不正の疑いのある取引について、業績への影響、発生原因、再発防止策、を教えてほしい。
A.まずはじめに、株主の皆様をはじめとする関係者の皆様に、多大なご迷惑とご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。
2024 年 8 月中旬から行われた税務調査の過程において、メールカスタマーセンター社の元従業員により外注先に対して金額を水増しした発注を行い、キックバックを受け取っていた疑いがある旨(メールカスタマーセンター社から外注先への支払いが水増しされることにより、メールカスタマーセンター社の費用(原価)が実態よりも大きく、営業利益が実態よりも小さくなっていた可能性)の報告を受けました。
連結業績に与える影響は現在調査中のため、本日開示しております「2025 年6月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」には反映しておりません。
過年度および 2025 年6月期決算の連結財務諸表においては、過大であった売上原価を取り消し、返還請求権を計上すると共に、同債権の回収可能性を確実に見込むことができない場合には同額の貸倒引当金を設定し、貸倒引当金繰入額を計
上する予定です。また、その結果、原価が減少した分だけ営業利益は増加し、本件調査に要するその他諸経費等も含めた金額の回収可能性の判断によっては経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益が変動(増加もしくは減少)、する
可能性があります。
発生原因も含めて現在調査中ですが、当社は前連結会計年度(2024 年 6 月期)第2四半期よりメールカスタマーセンター株式会社を連結子会社化しており、本件は当社の連結子会社化より以前から過去複数年にわたり行われていた疑いがあ
ります。
詳細調査中ではありますが、本件を真摯に受け止め、内部統制システムやコンプライアンス体制を一層強化するとともに、当社グループの役員・社員が一丸となって、再発防止策の具体的な施策に取組んでまいります。
詳細は 2024 年 11 月 12 日に開示したプレスリリースをご参照ください。」
子会社化するより前の影響額は、のれん(とその後ののれん償却)に影響するだけなのでは。
また、これを読むと、過年度決算の訂正の可能性も十分あるようですが、それなのに、決算発表してしまってよいものなのか...。レビュー対象でないからといって、ちょっと甘いのでは。
なお、監査人はトーマツのようです。