会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

のれん償却について改めて正面から議論してみる必要がないか(大和総研より)

のれん償却について改めて正面から議論してみる必要がないか

企業開示に長く関わってきた金融庁元幹部(元日本銀行理事、2022年から大和総研に天下ったようです)によるのれん償却の是非に関するコラム記事。

金融庁の「2024事務年度金融行政方針」(→当サイトの関連記事)では、スタートアップの M&A を促進する観点から、のれん非償却にふれていますが...

「そもそも、のれんの問題は単にスタートアップ支援の観点だけから論じられるべき問題ではない。これまでの経緯は経緯として、結果的に国際会計基準や米国基準と日本基準との間で乖離が残った状況を、日本がこれまで進めてきた会計基準の国際的な収れんの観点からどう考えるのか。近年、多くの日本企業が企業買収を経験し、また、国際会計基準を任意適用する日本企業も増加している中で、産業界の従来のスタンスに変化はないのか。一方で、のれんを非償却とした場合、のれんが減価した際の減損処理がこれまで以上に重要となると考えられるが、その適正は確保できるのか。のれんを非償却とすることが、結果として(会計上、その計上が認められていない)自己創設のれんの計上を行っていることにならないかとの会計理論上の論点もある(※1)。結論がどうなるかは占い難いが、のれんの問題について正面から議論をしてみるべき時期が来ていることは間違いないように思われる。」

日本の会計基準設定主体であるASBJで、のれん非償却や減損厳格化について、議論を進めるという話は、いまのところ、気配すらないようです。

おそらく、今後10年経っても、変わらないと予想します。

ASBJも今の金融庁も、国際基準に合わせたい企業は、IFRSを任意適用すればよいという考え方なのでは。

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