2月19日の「公認会計士制度に関する懇談会」のことが、週刊経営財務3月2日号でも取り上げられていました(経財ニュース)。また、恒例となっている青山学院大学の町田教授による傍聴記も掲載されています(「公認会計士制度を考える(その3)」)。
これらの記事や解説によれば、経済界の代表から、「監査ライセンス資格」と「会計プロフェッション資格」の2段階資格論が提案され、おおむね、産業界の委員からは賛成、学者の委員からは反対の意見が出たようです。
町田教授自身は「会計プロフェッションというのは、単なる会計技能検定試験合格者のことではない」「資格取得前教育、資格試験、および資格取得後教育といった生涯にわたる教育・技能開発プロセスを通じて選別され、また、その後も、倫理規範や自主規制の中で、一定以上の水準を維持していくものである」という主張で、2段階資格論には批判的です。「仮に会計・財務業務の資格を新設したとして、その資格保持者に対するCPEや厳格な自主規制は、誰が担うのであろうか」という指摘も重要でしょう。
以前の「会計士補」は、人数も少なく、また、会計士になる前段階という位置づけだったので、研修や自主規制を考える必要はなかった(そもそも3次試験をクリアするためにある程度は勉強せざるを得なかった)わけですが、「会計プロフェッション資格」でずっと継続する人が相当数いるとすれば、何らかの方法を考えなければなりません(会計士協会でやるのか、別の専門家団体を作るのかなど)。
町田教授の傍聴記では、税理士会の委員の発言との関係で、税理士と会計士・監査法人の業際問題にもふれています。
ただし、このような中長期的な議論とは別に、町田教授の解説の末尾でも述べているように、「大量の未就職者がおり、これからも増える可能性がある現状」をどうにかしなければならないのはたしかです。金融庁も懇談会の席で就職難の問題を認めたようですが・・・。
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この本の内容紹介文より
「司法試験合格者数が、500人→3000人と大増員されたのに、なぜか仕事はまったく増えず、新人弁護士には就職する事務所すらない人までいる。合格者を3000人に増やすはずなのに、うかるのは2000人わずかに超える程度。そして、大金を出して法科大学院で学んでも、試験に受かるのは一部のみ。
なぜ、こんな“ちぐはぐ”なことになってしまったのか?」