日本公認会計士協会は、倫理委員会報告第2号「職業倫理に関する解釈指針(その2)」の一部改正(公開草案)を、2010年3月1日に公表しました。
今年1月に「独立性に関する概念的枠組み適用指針」(「独立性に関する実務指針」に名称変更予定)の一部改正案が公表されていますが、それに伴い報酬の依存に関するQ&Aを見直すものです。
新しい実務指針案では、特定の監査クライアント(公認会計士法の大会社等)への報酬依存度の目安として15%という数値基準が導入されましたが(従来は50%)、今回の解釈指針案では、依存度の算出方法や独立性確保のためのセーフガードなどについて、詳しく述べています。日本の監査法人が税務業務をできないことを考慮してか、依存度計算の際の分母に監査法人の社員が個人でやっている税理士業務の報酬などを含めることができるようになっています。
大手監査法人にはあまり影響しない規定ですが、中小の監査法人や個人事務所で上場会社の監査を行っている場合には重要かもしれません。依存度の規制をあまり厳しくすると、小さな事務所・監査法人は上場企業の監査をやりにくくなるという弊害もあります。会社を選ばず、駆け込み寺的な存在の監査法人になれば、依存度の問題は解決する一方で、別のさらに大きなリスクを負うことになります。
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