千代田化工建設が、2019年3月期の業績予想について、大幅に下方修正したという記事。
2150億円の赤字となるそうです。
「従来は1050億円の赤字としていたが、赤字幅が1100億円拡大した。」
「赤字幅が拡大した主因は海外で施工中の案件での採算悪化だ。米国の大型液化天然ガス(LNG)プラント工事「キャメロン」では追加工事が発生。現場作業員の離職率が高く、想定より生産性が上がらないままコストがかさんだ。インドネシアのLNG拡張プロジェクト「タングー」は工事で遅延が発生し、利益を押し下げる。2つの案件で約800億円の損失が出る。
海外で抱える損害賠償請求などの訴訟についてのリスクも見直し、引当金を約200億円積み増した。」
第3四半期まで計上しなかった損失をなぜ本決算で計上するのか、説明が必要でしょう。
業績予想の修正に関するお知らせ(千代田化工建設)(PDFファイル)
新組織稼働を理由としているようですが、いままでの組織において原価を正確に見積もっていなかったことを自白しているようにも読めます。
「現在遂行中のプロジェクトについて、外部専門家を幹部として登用し全ての局面でリスク管理を担当する新組織「戦略・リスク統合本部」が実質的に稼働を開始し、これまでのリスク管理に加え、種々の予想外の外的要因等に対応すべくリスク認識レベルをさらに高めて第三者的視点で徹底的なリスク査定を行った結果、遂行中の大型 LNG 案件、仲裁・裁定を抱える案件、その他中小案件等においても一層の損益悪化を認識する必要があるとの判断に至りました。」
客観性のない主観的な見積りを行っていたということでしょうか。
(補足)
千代田化工が債務超過に 三菱商事が1800億円支援(朝日)
「9日発表した2019年3月期決算は、売上高が前年比33・1%減の3419億円、純損益は過去最悪の2149億円の赤字(前年は64億円の黒字)だった。債務超過額は592億円。三菱商事に7月、議決権のない優先株を700億円で引き受けてもらって債務超過を解消し、21年3月までに計900億円の融資も受ける。三菱UFJ銀行からも200億円を借りる。」
売上高3千億円で赤字が2千億円とは...
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