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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

孫社長「買収は近く意思決定する、話せない」(東洋経済より)

孫社長「買収は近く意思決定する、話せない」
ソフトバンクは「10兆円ファンド」で大幅増益


ソフトバンクグループの2018年3月期第1四半期決算を取り上げた記事。

営業利益が前年同期比50%増益だったそうです。

「今期からソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下SVF。ソフトバンクが主導し、テクノロジー企業を中心に投資するファンド)が新規連結となり、米半導体大手NVIDIAの評価益を中心とするセグメント利益1052億円が増益に貢献した。

SVFは主にインターネット関連に出資する10兆円規模の巨大ベンチャーファンドで5月に初回クロージングを終えたばかり。ソフトバンクの出資比率は2割台にとどまるが、運用をソフトバンクが担当するために支配力基準で連結対象となっている。」

ファンドの会計処理としては、投資を毎期時価評価するしかないのでしょうから、評価益計上も正しい会計処理なのでしょう。また、多額の利益を計上しても出資比率が低いので、そのごく一部しかソフトバンクグループ株主の持分にはなりませんが、これも支配力基準で連結している以上、想定内の現象です。

このファンドの影響を除いても大幅増益だったようです。

「決算はSVFの影響を除いても17%の営業増益だった。増益を牽引したのは米携帯大手のスプリント。契約数は微増程度だったが、コスト削減と一部の周波数を他社と交換したことに伴う交換差益534億円が効いた。

孫正義社長は「何か粉飾決算をしているのではないかと思いたい人はたくさんいるかも知れないが」と前置きしつつ、「スプリントは利益成長を牽引する会社に生まれ変わってきている」と目を輝かせた。スプリントは通期の営業利益が21億〜25億ドル(前期は17億ドル)の見通しとした。」

交換の会計処理としては交換時の時価で処理するのでしょうから、粉飾決算とは思いませんが、会計マジックとはいえそうです。

最終損益(親会社の所有者に帰属する利益)は大幅減益です。

最終利益は98%減益の55億円だった。これは昨年、中国EC大手・アリババ株を資金化する際に用いたデリバティブ損失(1778億円)が影響したものだ。」

「このデリバティブは、契約した2016年6月1日から3年後の2019年6月に契約満了を迎える。「(満了までに)多くの評価損を立てていれば、その分だけ(満了時に)評価益が戻ってくるので問題ない」と孫社長は解説した。」

このデリバティブは実質的にはヘッジのようですが、ヘッジ対象のアリババ株は(たぶん)持分法で処理しているので、両者をリンクさせずに、デリバティブの方は原則どおりに時価評価(評価損益はPL)となるのでしょう。

この会社をフォローしている人に解説してもらわないと、実態をつかみづらい決算のようです(粉飾ではなさそうですが)。

2018年3月期 第1四半期 決算発表(ソフトバンクグループ)

当期純利益について、調整を加えて大幅増益だといっています。


(会社資料より)
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