会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

福島工業が不適切会計 大型冷蔵設備の受注で (日経より)

福島工業が不適切会計 大型冷蔵設備の受注で

東証一部上場の福島工業で不適切な会計処理が見つかったという記事。

「福島工業は7日、2017年3月期に受注した国内の大型冷蔵設備を巡り一部で不適切な会計処理があったと発表した。影響は最大で約8億8600万円とみられる。」

プレスリリースによると、工事間の原価の付け替えなどをやっていた疑いがあるようです。また、日経記事では「2017年3月期に受注した」とありますが、「平成 29 年 3 月に売上計上した」というのが正しいようです(したがって前期にも影響する?)。

当社大型パネル冷蔵設備案件における不適切な原価処理等について(福島工業)(PDFファイル)

平成 29 年 3 月に売上計上した大型パネル冷蔵設備案件において、平成 29 年 6 月 19 日以降、当社に対し、取引先より未払工事代金等の支払を督促する文書が数件届きました。当該大型冷蔵設備案件では、当社を含む 4 社が共同企業体を組成し、各社がその責任において所掌する工事を実施することとされていましたが、今般の督促文書が当社の所掌しない工事に関するものであったことや、同時期に、当社エンジニアリング事業部の上長より財経部門に対して、本事業の注文主からの追加変更工事依頼等により本事業に関して多額の追加原価が発生しており、当社の所掌しない工事の一部について当社社員が当社又は共同企業体名義の注文書を発行しているとの報告を受けたことから、本件が発覚いたしました。

これを受け、社内で調査した結果、当社が所掌しない工事の発注や共同企業体名義の注文書発行(以下「不適切な発注」といいます。)だけでなく、平成 29 年 3 月期及び今年度売上計上した数件の大型パネル冷蔵設備案件においても本来計上すべき原価を他の物件に付け替える不適切な原価処理(以下「原価の付け替え」といいます。)の疑いが生じたため、会計監査人とも協議し、速やかに本調査委員会を立ち上げ、全容解明に向けた調査を行うことといたしました。」

「現在判明している不適切な発注の合計額は約 518 百万円ですが、業績に与える影響については精査中でございます。また、原価の付け替えによる不適切な原価処理による合計額は約 368 百万円ですが、業績に与える影響については精査中でございます。」

共同企業体でやっている工事だという点が、不正会計処理のスキームの中でどういう意味があったのかは、プレスリリースを読んでもよくわかりません。JV工事は、他社のチェックが入るでしょうから、不正が発覚する可能性が高くなると思われるのですが...
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