会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

東芝不適切会計:12〜14年で500億円下方修正必要(毎日より)

東芝不適切会計:12〜14年で500億円下方修正必要

東芝が不正会計の影響額の見込み(過年度分)を公表したという記事。

「東芝は13日夜、インフラ工事を巡って過去に不適切な会計処理が行われていた問題で、2012年3月期〜14年3月期の営業利益を累計で500億円強、下方修正することが必要と発表した。工事の原価総額を過少に見積もり、利益が一時的に底上げされていたことなどが理由。ただ、同社は第三者委員会を設置してさらに調査する方針を示しており、決算の修正額が膨らむ可能性もある。」

「不適切な会計処理を行った理由は明らかにしていない。」

まだ未確定の数値ですが、不正の規模の見当もつかないという状態よりはましでしょう。

会社のプレスリリース

現時点で判明している過年度修正額見込み及び第三者委員会設置に関する補足説明(5月13日)(東芝)

「電力システム社、社会インフラシステム社、コミュニティ・ソリューション社の3つの社内カンパニーにおける、当社 (単独) の一部インフラ関連の工事進行基準案件につき、特別調査委員会において本日現在まで行った調査に基づく、工事原価総額の過少見積りとそれに伴う工事損失(引当金)計上時期に関する過年度の要修正額は、現時点で、2011 年度から2013 年度までの累計の営業損益ベースで▲500 億円強を見込んでいます。」

「 更なる調査を必要とする事項の具体的内容は、損失引当計上の時期及び金額の妥当性、 経費計上時期の妥当性、在庫の評価の妥当性等であり、これらについて当社として、上記3カンパニー以外の社内カンパニー及び連結対象子会社を含め、全社的、網羅的に調査する必要があると判断しました。」

▲500 億円というのが、2014年3月期末におけるBSへの影響額(税金を除く)だとすると、2014年3月期末の資本(非支配持分除く)1,229,066百万円に対して約4%です(東芝の連結は米国基準)。見過ごすことのできない金額(過年度訂正は当然必要)ではありますが、これで会社がどうにかなるというほどではありません。(他に大きな不正が出てくれば別ですが)

各年度のPLへの影響はわかりませんが、3年間で500億円だとすると、平均で170億円ほどになります。税引前利益に対して、500億円で計算すると30%前後、170億円で計算すると10%前後となります。これも大きな影響額ですが、黒字が赤字になるほどではありません。


(東芝2014年3月期有報より)

東芝:粉飾決算疑う声も 営業益500億円下方修正へ(毎日)

「問題になっているのは、数年にまたがるインフラ工事の進捗(しんちょく)に応じて、売り上げを毎年度ごとに計上する「工事進行基準」の計上の仕方で、工事が実際よりも進んでいるように見せて、将来の売り上げを前倒しして計上していたケースもあった。

 また、同社は将来的に可能と判断したコストダウン分をもとに、工事や資材などの費用を見積もっていたことが社内調査で判明。同社幹部は「我が社ならばここまでのコストダウンができると見込んだもの。故意ではなく会計技術の問題」と弁明した。

 だが、会計の不正処理に詳しい公認会計士は「事業部が本社に報告する業績を良くみせるため、不適切な会計処理をしていた可能性も否定できない」と話す。」
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