東証1部上場の沢井製薬の業績予想修正に関するプレスリリース。
「当社は、米国における税制改革法の成立によって米国連邦法人税率が引き下がること等により繰延税金資産の取り崩しが発生するとの判断から、本年2月 13 日に連結業績予想の修正を発表いたしました。
本件は、昨年5月末に当社が買収した Upsher-Smith Laboratories, LLC 社の企業結合による会計処理に関連するもので、当社会計監査人の有限責任あずさ監査法人(以下、「あずさ監査法人」)の助言に基づき平成 30 年3月期の連結業績予想の修正を行いました。しかしながら、あずさ監査法人内部の最終審査の過程で当社に対する当該助言が誤っていたとの説明がありました。そこで、あずさ監査法人が今回改めた見解に基づき法人税等調整額を再計算するとともに、足元の業績動向の一部変化も加えて、平成 30 年3月期(平成 29 年4月1日~平成30 年3月 31 日)の連結業績予想を再度修正しましたのでお知らせいたします。 」
会社にとっては、おもしろくないでしょうが、決算確定前に修正できて、大ごとにならずに済んだのはよかったのでは。
「法人税等調整額を再計算」といいながら、訂正数値を見ると、税引前の数値の予想修正金額の方が大きくなっています。買収したばかりの子会社の企業結合による会計処理に関連しているとのことなので、のれんやのれん償却の金額を修正したのでしょうか。
2月公表のプレスリリース。
↓
米国連邦法人税の税率引き下げに伴う税金費用の発生等による通期業績予想の修正に関するお知らせ(PDFファイル)
「平成 29 年 12 月 22 日に米国において、連邦法人税率を 35%から 21%に引き下げることなどを柱とする税制改革法が成立したこと等により、当社の米国子会社において繰延税金資産を取り崩す必要が生じました。これに伴い、当社連結業績において法人税等調整額が一時的に増加することが見込まれるため、親会社の所有者に帰属する当期利益の予想を修正いたします。」
このときは、税引前は変更はなく、税引後数値のみ変更されています。
沢井製薬、純利益上振れ 前期140億円(日経)(記事冒頭のみ)
「2月に米国の法人減税に伴う「繰り延べ税金資産」の取り崩しで下方修正した。だが会計監査を担当するあずさ監査法人から助言に誤りがあったと説明があり、税負担などを再計算したため。」
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