会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

東芝不正会計は「違法」 監視委、異例の見解公表へ(産経より)

東芝不正会計は「違法」 監視委、異例の見解公表へ

東芝粉飾事件で、金融庁の証券取引等監視委員会が、パソコン事業で過大に水増しした利益を有価証券報告書に記載したのは金融商品取引法に違反するとの見解を近く公表するという記事。検察と方針が対立しているようです。

「東京地検特捜部は、パソコン事業の取引には実態があったなどとして金商法違反容疑での立件は困難との見方を既に監視委に伝えている。

一方、監視委は特捜部の見解に反発。田中元社長と西田厚聡(あつとし)、佐々木則夫両元社長の歴代3社長が主導して粉飾した疑いがあるとし、立件は可能とみて調査を継続している。」

東芝歴代社長の「立件を」 証券監視委、地検に再考迫る(朝日)

「東芝の不正会計問題で、歴代3社長の刑事責任を問うのは困難との見方を示した東京地検に対し、証券取引等監視委員会は14日までに再考を求める意見を伝えた。監視委は経営トップが主導して粉飾決算をした疑いが強いとみており、監視委と検察の見解が分かれる異例の展開となっている。」

証券取引等監視委 東芝の告発念頭に調査継続(NHK)

「証券取引等監視委員会は、東芝が決算前にパソコンの製造委託先に大量の部品を一時的に買い取らせる方法で、利益をかさ上げしていたことが金融商品取引法に違反する疑いがあるとみて歴代社長を検察に刑事告発することを念頭にした調査を進めています。

こうしたなか、監視委員会の関係者によりますと、検察が監視委員会に対し「委託先との取引は架空のものではなく実態がある」などとして刑事責任を問うのは困難だとする見方を伝えたということです。

監視委員会は起訴する権限をもつ検察がこうした見方を示した場合、通常、告発を見送っていますが、東芝については「決算をよく見せかけるために本来、必要のない取引を意図的に行っていた。形だけの取引を実態があると重視するのはおかしい」などと検察とは逆に悪質な会計処理だったとの見方を強めています。」

そもそも、告発対象(報道による)が元社長だけで、事情をよく知っていて会計に責任を持っていたはずの元CFOが対象になっていなかったり、粉飾の手口の中でも、パソコン部品の有償支給と、パソコン事業の原価計算と、工事進行基準案件のごく一部しか対象にしていなかったりと、おかしなところがありました。そこまで絞り込んでも、まだ摘発できないというのですから、検察の方針のとおりだとすると、世の中の粉飾で、刑事告発できるものはほとんどないということになりそうです。
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