三井物産(国際会計基準採用)が、ロシアで行っている2つのLNG開発プロジェクトの評価減を行ったという記事。
「会社ではウクライナ情勢を受けてロシア極東で手がけている「サハリン2」と、来年中の生産開始を目指している北極圏での「アークティックLNG2」の2つのLNGの開発プロジェクトについて、資産価値の見直しを行いました。
そして、ロシアでのビジネスのリスクが高まっていることを踏まえ、2つのプロジェクトの資産価値を合わせて806億円減額させたということです。
さらに「アークティックLNG2」については、融資に対する保証の引き当てが増えたことなどから、昨年度の決算で209億円の損失を計上したことも明らかにしました。」
最終利益は、9147億円となり、過去最高とのことです。
合計で1千億円の損失ということになりますが、日経記事や会社の短信によると、1千億円のうち、800億円は資本直入(その他の包括利益への計上)で、純利益には影響していなかったようです。
三井物産が最高益、ロシア関連損失1015億円 22年3月期(日経)(記事冒頭のみ)
「三井物産が2日発表した2022年3月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前の期比2.7倍の9147億円と過去最高だった。鉄鉱石などの価格上昇で資源分野の利益が急増した。ヘルスケア分野なども伸びた。液化天然ガス(LNG)関連などのロシア事業では純資産に直入する分も含め1015億円の損失を計上した。」
連結決算短信(三井物産)
短信の連結財務諸表注記を見ると、その他の包括利益に計上された800億円の損失は、ロシア国の格付け低下による割引率見直しを主因とするものとのことであり、事業そのものの見直しによる損失ではなさそうです。

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三井物産、ロシア減損806億円 今後の状況変化「可能性十分」(ロイター)
「3月末時点のロシアLNG事業の投融資保証残高は4047億円となった。
会見した堀健一社長は、 サハリン事業は日本のエネルギーの「非常な重要な供給源」であるとして、各国の制裁などの法令を遵守したうえで「事業参画を継続していく」と明言した。
一方、現在も事業開発中のアーク2は、生産開始時期を遅らせるなどの意思決定が行われていないとして、計画そのものは継続しているとの前提を維持した。ただ「色々状況が変わる可能性は十分あるので、そうなった時は検証し、パートナー間で確認し、(内容を)発表する」とした。」