会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

ベリーベストが弁護士会と全面対立(日刊ゲンダイより)

司法制度改革20年のツケが「過払い金返還」で浮き彫りに…ベリーベストが弁護士会と全面対立

ベリーベスト法律事務所という弁護士事務所が弁護士会から処分を受けたが、納得せず、日弁連に審査請求しているという記事。

弁護士事務所側の言い分にも一理あるようです。

「懲戒処分となった事案はクレジットやサラ金(クレサラ)の過払い金返還について。140万円までの過払い金返還の場合、2001年の司法制度改革の規制緩和によって簡易裁判所の代理権を獲得した司法書士でも取り扱える。...

しかし依頼者本人から相談を受けて計算をし直したところ、過払い金が140万円を超えてしまうと「代理権超え」になって司法書士は取り扱えなくなる。そうなると本人で訴訟を起こすか、本人が弁護士を探すことになる。司法書士が弁護士から謝礼(紹介料)をもらって案件を譲渡することは弁護士法違反になるからだ。無料で司法書士が弁護士に案件を引き渡すメリットもない。

ただ、このような代理権超えの案件は少なくない。そこで弁護士法違反となる可能性を事前に承知していたベリーベスト法律事務所は「紹介料」とならないようなリスク回避のスキームを司法書士事務所と組んだ(つもりだった)。依頼者の紹介についてはあくまでも無償であり、司法書士事務所が作成した計算書類や訴状という「成果物」を一律の金額で買い取る形にしたのだ。」

「本来は、司法書士が扱う案件が140万円を超える場合に弁護士に円滑に引き継がれるようにすべきところ、今も弁護士業界と司法書士業界が調整を怠り続けている。」

司法書士から弁護士にうまく引き継ぎされるようにすれば、同じ作業を二度やる必要もなくなり、クライアントの負担も減るように思われますが...

弁護士会による処分手続も批判されています。

「「手続きは簡易でまともな権利防御手続きを作らず、行政手続きに著しく劣る手続きしか用意しておらず、処分基準も設定もせず」と請求人側は批判している。」

同じ士業でも、会計士協会による会計士・監査法人の処分の場合は、比較的軽い処分しかできず(業務停止はできない)、処分が一般に公表されることもまれなので、手続に関してもめることは少ないのかもしれません。金融庁による処分は、不服であれば、最終的には裁判に訴えることもできます。
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