いわゆる「パラダイス文書」で、KDDI香港子会社の不正経理(開示済み)の内幕が垣間見える資料があったという記事。この子会社の監査人交代の事情が明らかになったそうです。
「この子会社はシンガポール上場のシステム開発会社「DMXテクノロジーズ・グループ」(登記上の所在地はバミューダ)。両社の公表資料によると、KDDIは2009年に買収した。監査法人の変更は14年。新たに契約した米大手会計事務所は14年12月期決算の監査の際、中国の会社に通信機器などを売る取引で架空取引の可能性を指摘。役員は英領バージン諸島に設立した会社を取引に介在させていた。」
「パラダイス文書には、これに先立つ12年11月のDMXの監査委員会議事録がある。KDDIから派遣された幹部が、円滑なコミュニケーションのため全グループ会社の監査法人を同一にする方針を説明。費用が10%安いとの指摘もあった。これに対し、DMXの役員らは「費用は変更の正当な理由ではない」「株価に悪影響を与えかねない」と反論。議論は持ち越された。」
監査人交代を速やかに行うべきだったようです。
おなじみの八田教授のコメントも...
「KDDI子会社の不正経理について、会計監査に詳しい八田進二・青山学院大教授は「子会社などの現場側は業務効率が落ちるなどとして監査法人の変更に抵抗しがちだ。海外企業を買収した日本企業がイニシアチブを取れないこともよくある。親会社は指揮命令系統を明確にして意思を貫く必要がある」と指摘する。」
監査人の強制的ローテーションにも「一つの方法だ」という積極的なコメントを寄せています。
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前任はデロイト・トーマツ、後任はPwCでした。
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