品質や倫理観維持にも懸念(記事冒頭のみ)
当サイトでも取り上げたビッグ4事務所がロシアから撤退することの影響を論じた記事。
「「ビッグ4」と呼ばれる国際会計事務所がロシア事業から撤退すると発表した。ロシアによるウクライナへの侵攻を憂慮した決断だが、顧客のロシア子会社の監査をどうするかは大きな課題として浮上している。ロシアに進出する日本企業の監査手続きにも時間がかかるなど、監査品質や手続きに影響を及ぼす可能性がある。」
・ビッグ4事務所は、7日までにロシア事業の切り離しを発表
・日本企業の子会社の監査を担当していた現地事務所がビッグ4のネットワークから切り離された場合、企業に影響が出る可能性
・運輸大手の会社では、監査法人からロシアを切り離すという連絡は来たが、詳細は不明であり、対応できない状態
・ネットワークから分離されても、現地事務所をそのまま使い続けることは可能。しかし、共通システムなどが使えず、いままでより監査手続に時間がかかる可能性が高い。
・ロシアでの監査に支障が出れば、限定付意見が増える可能性もある(監査法人幹部コメント)
といった内容です。
日本企業のロシア法人は、監査だけでなく、会計業務や税務業務も現地ビッグ4事務所に依頼している場合もあるでしょう(監査を担当するのとは違う事務所の場合のある)。影響は、会計監査に限らないといえます。他方、現地の会計事務所自体はおそらく消滅するわけではなく(ロシアのマクドナルドが閉店するのとは違う)、サービス提供は継続できるでしょうから、その点はあまり心配いらないのかもしれません。
もちろん、会計監査以前に、ルーブル下落や金融制裁で、ロシアにおける事業活動自体が難しくなって行くのにどう対応するのかという大問題はあります。
また、この日経記事ではロシアの話をしていますが、ウクライナで事業を展開している日本企業の方が、もっと影響が大きいでしょう。報道を見ると、どう考えても会計監査をやっているひまはなさそうです。現地の会計業務が途絶し、もちろん会計監査も不能で、日本の親会社について限定付意見を出さざるを得ないということもありえるでしょう。
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