山形のきらやか銀行が3度目の公的資金を受けることになった経緯を取り上げた記事。
山形県には、3つの地銀がひしめいているそうです。
「山形・荘内は両行ともに製造業や地方公共団体向けの取引が多く、零細中小企業やサービス業への貸し出しは、きらやか銀が引き受け3行が共存してきた。
不良債権比率は山形銀行(1.2%)、荘内銀行(2.1%)に対しきらやか銀は4.2%と突出して高い。川越頭取は「病める時も健やかな時も、融資先企業にとことん付き合い、時には危ないところにも手を突っ込んで支えるのが第二地銀としての矜持(きょうじ)だ」と話す。」
融資先の粉飾決算を早期に見抜けなかったことが、足をひっぱったようです。
「しかし、これが裏目に出る。不良債権だ。その象徴が22年7月に発覚したトガシ技研(山形県鶴岡市)の粉飾決算だ。きらやか銀行が23億円の債権を抱え長年、貸し倒れリスクが低い「優良先」として位置づけてきたが、約50億円の売上高のうち大半が架空取引であることが明るみになった。
発生したタイミングは公的資金の申請検討を表明した2カ月後。これが1年4カ月も審査期間が長引いた背景にある。コロナ禍による業況悪化とまったく異なる事情で発生した不良債権であり、当局の態度は硬化する。「この銀行の審査能力は大丈夫なのか」(東北財務局関係者)」
山形・きらやか銀行に3度目の公的資金注入180億円 借金を借金で返す自転車操業状態(日刊ゲンダイ)
「きらやか銀には09年に200億円、12年に100億円の計300億円の公的資金が注入されている。このうち200億円分の返済期限が1年後の24年9月に迫っているにもかかわらす、償還できるアテがない。そこで新たな公的資金を取り込む形でその借り換えにこぎつけようというのが「本当の目的」(金融当局筋)だ。
いわば借金を借金で返す自転車操業状態。メガバンク筋の一部からは「まるで地銀界の多重債務者」との苦笑も漏れる。」
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