元ジャスダック上場で民事再生手続き中のネステージが、不当に高く鑑定された不動産の現物出資を受けて増資を行った疑いで家宅捜査を受けたという記事。不正な増資に使われたのは、旧「かんぽの宿」の宿泊施設などだそうです。
「ネ社の有価証券報告書や捜査関係者などによると、同社は昨年2月に第三者割当増資を実施。引受先となったコンサル会社は、旧「かんぽの宿層雲峡」(北海道上川町)と旧「かんぽの宿米沢」(山形県米沢市)、年金・健康保険福祉施設整理機構が管理していた宿泊施設の旧「ホールサムインせとうち」(岡山県倉敷市)をそれぞれ現物出資し、株式を受け取っていた。
これら3物件の民間企業への売却額は計約3億4千万円。いずれもその後は利用されないまま老朽化が進んでいるが、都内の不動産鑑定士は計13億円と評価し、ネ社は計12億円を資本に組み入れた。」
本業と関係のない不動産の現物出資であり、あやしい感じはしますが、それだけで不動産鑑定士による評価を覆すことは難しいかもしれません。鑑定自体に不正があったのなら、鑑定士の責任も問うべきでしょう。
重機で穴…廃虚同然かんぽの宿 マネーゲームの道具、地元「あまりに無責任」(産経)
当サイトの関係記事(かんぽの宿の鑑定評価について)
去年は、かんぽの宿を売却する際の鑑定評価額が低すぎるということが問題になりました。ネステージの場合は極端すぎるのかもしれませんが、多少のブレはしょうがないのでは・・・。
当サイトの関連記事その2(ネステージの再生法申請について)
昨年8月の破綻の時点で、鑑定価額に不審な点があるという指摘がなされていたようです。
当サイトの関連記事その3(東証の事例集について)
東京証券取引所が「上場管理業務について -不適切な第三者割当の未然防止に向けて-」という事例集を昨年公表しています。
最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事