実はこれまで一度も見たことがありませんでした。
が、たまたま新聞ラテ欄で紹介されていたこの『民王』、見てみたらかなりおもしろくて笑えます。
古くは、大林宣彦が監督し尾美としのりと小林聡美が階段から転落して入れ替わる『転校生』、少し最近見たドラマでは、永作博美と石田ゆり子演じる40代女性が入れ替わる『さよなら私』(岡田惠和脚本)などで描かれ、決して新しくはない入れ替わりもの、この『民王』では遠藤憲一と菅田将暉演じる父子が入れ替わるのですが、この二人の演技が素晴らしくて、まるで本当に入れ替わっちゃったかのよう!
設定としては絶対にあり得ないのですが、ドラマとしてとてもリアルで、いかに2人が熱演しているかがわかります。
武士のように威厳のある総理大臣の父を菅田将暉、漢字もまともに読めないナヨナヨした気弱な大学生を遠藤憲一が真面目に演じるのですから、面白くないわけがない!
菅田くんをドラマで初めて見たのは、確か、獣医が主役のドラマの高校生役。
凛としていて、何か光るものがあり、この子は将来有望、と印象に残っていました。つい最近終わった、さだまさしさんの自伝的ドラマ『ちゃんぽん食べたか』で70年代ファッションに身を包み、若き頃のさださん役を見事に演じていました。実は、このドラマの父親役が遠藤憲一なのです。この二人のキャストで全く違う世界を作り出すスタッフには脱帽です。
遠憲さんは、そのこわもてからヤクザやら犯人やらの役どころが多かった俳優さんですが、最近は新境地を無限に開拓中。『ドクターX』では弱々しいキャラの医者を演じたり、『不便な便利屋』では極寒の北海道ロケで一風変わった便利屋を演じるなど、個性が際立った、印象に残る人物を好演。CMでは、ゲームの妖精やらビザブラックの社長など思わずニヤリとする役柄で登場し、それまでの「怖い」「暴力的」「悪役」といったイメージを大胆に覆すのに成功しました。今回の『民王』でいえば、「かわいい遠憲」ですね。
『民王』の脇を固める方々も個性的。
無表情でひょうひょうとした総理秘書役の男性、ん~~どっかで見たぞ!と思ったら、この前終わった『Dr.倫太郎』の研修医役で出ていた高橋一生さんでした。こんな秘書、ほんとにいそう!と思えます。
ほかにも、どう見てもヤクザにしか見えない警視庁の警視を山内圭哉さん、この方もどこかで見たぞと思っていたら、NHK木曜時代劇『吉原裏同心』で主役・小出恵介を助ける男衆として出ていたり、泰山(もともとの遠藤憲一)に敵対する憲民党党首役に草刈正雄もなかなかいい味出してます。
どこかで見た俳優さんが、また別の役柄&全く異なる印象で私たちを楽しませてくれる。
俳優さんってつくづくすごいって思います。
もちろん、表に出ない脚本・演出などの方々も。
まだ3回しか放送していないのに、終わってほしくなーいと今から思っちゃう超絶おもしろいドラマです!
余談ですが番組公式サイトのキャストページが、選挙ポスターになっているのがまた面白い。朝ドラ「ま○」と違って、制作陣のセンスもなかなかですね!
コメント一覧
カイルア
battenger
最新の画像もっと見る
最近の「日記」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事