ヨハネの福音書 解説 B
ヨハネの福音書は
4つの福音書の中で,
時代が下ってから書かれた書です。
ヨハネはヨハネの黙示録と
3つの手紙を書いた12弟子の
ひとりのヨハネです。
洗礼者ヨハネとは,別の人物です。
○
(ヨハネ1:1)
「初めに,ことばがあった。
ことばは神とともにあった。
ことばは神であった。」
「初めに」が,
創世記1:1の「初めに」を受けています。
○
(ヨハネ3:3-8)
イエスは答えて言われた。
「まことに,まことに,あなたに告げます。
人は,新しく生まれなければ,
神の国を見ることはできません。」
ニコデモは言った。
「人は,老年になっていて,
どのようにして
生まれることができるのですか。
もう一度,
母の胎に入って生まれることが
できましょうか。」
イエスは答えられた。
「まことに,まことに,あなたに告げます。
人は,水と御霊によって生まれなければ,
神の国に入ることができません。
肉によって生まれた者は肉です。
御霊によって生まれた者は霊です。
あなたがたは
新しく生まれなければならない,
とわたしが言ったことを
不思議に思ってはなりません。
風はその思いのままに吹き,
あなたはその音を聞くが,
それがどこから来て
どこへ行くかを知らない。
御霊によって生まれる者もみな,
そのとおりです。」
ニコデモの質問に対する
イエスの答えです。
聖霊によって
新しく生まれなさいと言います。
○
(ヨハネ3:16)
「神は,実に,
そのひとり子をお与えになったほどに,
世を愛された。
それは御子を信じる者が,
ひとりとして滅びることなく,
永遠のいのちを持つためである。」
ルターはこの言葉を,
「小さな福音書」と言っています。
神の愛はイエスを信じる者に
永遠のいのちを与えます。
○
(ヨハネ4:13,14)
「イエスは答えて言われた。
『この水を飲む者はだれでも,
また渇きます。
しかし,
わたしが与える水を飲む者はだれでも,
決して渇くことがありません。
わたしが与える水は,
その人のうちで泉となり,
永遠のいのちへの水がわき出ます。』」
「私が与える水」とは,
霊としていのちのことです。
「水」は,
聖霊を現しています。
○
(ヨハネ4:24)
「神は霊ですから,
神を礼拝する者は,
霊とまことによって
礼拝しなければなりません。」
神は形式による礼拝ではなく,
霊なる神は,
霊によって礼拝することを
求めています。
○
(ヨハネ8:10-11)
「イエスは,身を起こして言われた。
『婦人よ,あの人たちはどこにいるのか。
だれもあなたを罪に定めなかったのか。』
女が,『主よ,だれも』と言うと,
イエスは言われた。
『わたしもあなたを罪に定めない。
行きなさい。
これからは,
もう罪を犯してはならない。』」
すべての人に捨てられたこの女を,
イエスは深く愛され,罪を赦しました。
○
(ヨハネ8:12)
「イエスはまた彼らに語って言われた。
『わたしは,世の光です。
わたしに従う者は,
決してやみの中を歩むことがなく,
いのちの光を持つのです。』」
「やみの中を歩む」とは
「罪の生活」を示し,
「いのちの光を持つ」とは
「聖なる生活」をすることです。
○
(ヨハネ8:32)
「そして,あなたがたは真理を知り,
真理はあなたがたを自由にします。」
真理とは,イエス・キリストご自身です。
真理とは,
イエスの意志に従って,
行動することです。
○
(ヨハネ10:11)
「わたしは,良い牧者です。
良い牧者は羊のためにいのちを捨てます。」
イエスが「良い牧者」として,
わたしたちを愛して下さいます。
信じる者はかみによって,
すべて守られています。
○
(ヨハネ11:25)
「イエスは言われた。
『わたしは,よみがえりです。
いのちです。
わたしを信じる者は,
死んでも生きるのです。』」
人間は死によって肉体は死にますが,
魂はイエスを信じることによって
永遠に生きます。
○
(ヨハネ12:24)
「まことに,まことに,
あなたがたに告げます。
一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ,
それは一つのままです。
しかし,
もし死ねば,豊かな実を結びます。」
イエス・キリストは十字架で死にましたが,
復活しました。
わたしたちも
イエス・キリストを信じるなら,
「一粒の麦」となり,
「豊かな実」を結びます。
○
(ヨハネ13:14)
「それで,
主であり師であるこのわたしが,
あなたがたの足を洗ったのですから,
あなたがたもまた
互いに足を洗い合うべきです。」
イエスの謙遜と奉仕の姿です。
わたしたちも
このイエス・キリストを見倣うように
言われています。
○
(ヨハネ13:34)
「あなたがたに新しい戒めを与えましょう。
互いに愛し合いなさい。
わたしがあなたがたを愛したように,
あなたがたも互いに愛し合いなさい。」
イエスが弟子を愛したように
弟子たちに「互いに愛し合いなさい」
と言います。
○
(ヨハネ14:2)
「わたしの父の家には,
住まいがたくさんあります。
もしなかったら,
あなたがたに言っておいたでしょう。
あなたがたのために,
わたしは場所を備えに行くのです。」
イエス・キリストは昇天の後,
もう一度来られます。
そのとき,信じる者は
イエスの元に行きます。
○
(ヨハネ15:1,2)
「わたしはまことのぶどうの木であり,
わたしの父は農夫です。
わたしの枝で実を結ばないものはみな,
父がそれを取り除き,実を結ぶものはみな,
もっと多く実を結ぶために,
刈り込みをなさいます。」
(ヨハネ15:5)
「わたしはぶどうの木で,
あなたがたは枝です。
人がわたしにとどまり,
わたしもその人の中にとどまっているなら,
そういう人は多くの実を結びます。
わたしを離れては,
あなたがたは
何もすることができないからです。」
イエス・キリストと信じる者は
イエス・キリストと一つとなります。
○
(ヨハネ15:13)
「人がその友のために
いのちを捨てるという,
これよりも大きな愛は
だれも持っていません。」
この愛は
イエスの死の時に見ることが出来ます。
神と人を愛し,
自分自身を犠牲とするところに
神の愛があります。
○
(ヨハネ16:33)
「わたしがこれらのことを
あなたがたに話したのは,
あなたがたがわたしにあって
平安を持つためです。
あなたがたは,
世にあっては患難があります。
しかし,勇敢でありなさい。
わたしはすでに世に勝ったのです。」
イエスは,十字架に架かり死にましたが,
復活しました。
イエスはこの世に勝ちました。
わたしたちも信じることによって,
この世に勝ち,
平安が与えられます。
○
(ヨハネ20:29)
「イエスは彼に言われた。
『あなたは
わたしを見たから信じたのですか。
見ずに信じる者は幸いです。』」
私たちは,
イエス・キリストを
見ないが信じています。
聖書の言葉が
真実であると信じているのです。
2019-02-13