花のお江戸 学会見聞録

有名なところではエスカレータでの立ち方、鰻のさばき方。関東と関西の文化の違いですね。

意外なところでは・・・

・食パンの好み：関東は8枚切りなどの薄切り、関西は4～6枚切りの厚切り。当院で当直明けにいただく朝食用食パン、確かに厚め。

・ところてんの食べ方：そんなもん酢醤油に決まっとると思っていたら、関西ではところてんに黒蜜を掛けて食べるのが普通で、これは本当にびっくり。本当にびっくりしている北陸の人間を見て、大阪の人はもっとびっくり。

 

ひつじ先生に負けまいと、「くりぼう」もガラケーのバカチョンカメラで必死の投稿です。

さて、冒頭でご紹介したものの他にも色々と文化が違う関東・関西ですが、ひつじ先生の投稿にあったように先日は大阪でアンドロロジー（男性科学）学会。遅れることわずか1日、東京では女性骨盤底医学会。エスカレーターの左と右、鰻の背開きと腹開きよろしく泌尿器科学領域における専門的分野の学会も、東西正反対の内容と相成りました。

 

 

言うまでもなく、私は大阪から東京へ。女性骨盤底の方です。

金沢から東京方面へ電車で向かいますと、在来線が「下り」方面になります（大阪や名古屋を基準にするため）。ですから、上り列車で東京に行くという感覚に馴染みがないわけですが、今回は新幹線でひたすら東へ向かう、正真正銘の「東上」となりました。

今回は珍しく準備段階で一頓挫あり、それを乗り越えての発表でしたので、親指の先っぽほどの小さなUSBフラッシュメモリーに詰め込まれた己の思いは結構大きかったのですが、人生初の東上はビール飲んで居眠りするだけでした。

 

翌日、学会初日、朝イチのセッションでいきなり発表です。結構緊張しながらも言いたいことは言い尽くす感じの私の口演は、見た目こそ普段とおりでしたが、一流に超の付く一部の聴衆は、過程の中の一頓挫を決して見逃していませんでした。これについては後ほど。

 

見聞録なので学術的なことも書いておきたいところですが、何せ日進月歩の領域。あまり馴染みの無い方に骨子のようなものを噛み砕いて説明するには己の理解が足りませんので、動向を少しだけ。

骨盤臓器脱に対しては、メッシュ手術全盛の時代が続いていましたが、その潮流は徐々に変化しつつあります。しかし、巧く手術すれば治療成績は欧米とは比較にならないくらい良く、第一選択で何の問題もない症例の比率は依然として高いと思います。論文という形で海外へ発信していく必要性を感じます。

 

さて、真面目に学会参加したあとは、毎度お楽しみの懇親会。懇親会見聞録にならないように注意したいところですが、今回はサプライズゲストで「楽しんご」さん登場。

　天性の才能とボイストレーニングによる訓練の賜物？名曲「Time To Say Goodbye」を熱唱していました。音域の広さがもの凄く、女声のキーで歌っています。一番最後は私が裏声で出せる限界のさらに1オクターブ上くらいの高さです。こういうので飯を食うならこのレベルじゃないといかん、という非常に厳しい現実を楽しんごさんに教えられました。

 

その後、新橋の二次会会場へ向かいましたが、会場を出た途端、突如としてバケツをひっくり返したような豪雨。そして当日は、有名な隅田川の花火大会真っ最中（ホテルがなかなか取れなくて、花火大会があるのは以前から知っていました）。大会関係者と80万人近い見物客の心情を察する余裕すらなく、我々もバケツで水をかぶらない限りは成り得ないような悲惨な風貌で、どうにか二次会会場へ辿りつきました。

 

しかし天候こそ散々でしたが、二次会では先ほど述べた超一流の先生方との懇親も叶いまして、「くりちゃんのあんな一杯一杯の姿は初めて見たけど、言いたいことは良く伝わってきましたよ、今後の一層の精進に期待する！」との叱咤激励を頂戴し、今度はたらいで水をかぶったかのような、とめどない感涙にむせぶのでありました。

総勢20数名、総額ウン十万円の消費活動。花火大会関係者の鬱憤を我々が代わりに晴らしてきたかのような、花のお江戸の一夜でした。

 

 

あれから2日。期間中にいただいたモチベーションでもって、動きだすのに最大級のエネルギーを要する英語論文を、さきほど1ページ分だけ書きました！

しかし、本投稿にはそれと同じかそれ以上の時間を費やしてしまいました。