◆産みたいのに産めない ~卵子老化の衝撃~ 2月14日放送 NHK
今、増えているのが夫婦のどちらにも疾患がないのに妊娠できないというケースです。
クリニックでは、主な原因は卵子の老化だといいます。
「どうしてそんなひどい事を言うんだと思うかもしれません
でも卵子の若返りは不可能です
どんなに見た目が若く見えても 卵子は若返りません」
卵子の老化は、女性にとって避けられない現象です。
卵子は産まれたときから体の中にあります。
毎日作られる精子と異なり新しく作られることはありません。
年を重ねるほど卵子も年をとり、減り続けるのです。
卵子が老化すると体外受精をしても育たないケースが増えてきます。
35歳の人の受精卵です。
4つは細胞分裂を繰り返し成長していますが2つは途中で止まってしまいました。
学会によると35歳で不妊治療をした人のうち、子どもが産まれた割合は16.8%。
40歳では8.1%です。
こうした卵子の老化は、学校などできちんと教えられてこなかったのが実情です。
不妊治療に訪れて初めて知る人が後を絶ちません。
36歳女性
「卵自体も年をとるというのが 衝撃的というか びっくりしました」
35歳女性
「35年間 誰も周りからも教えてくれることなく 避妊についてだけしか学んでなかったので」
浅田レディースクリニック 浅田義正院長
「努力で乗り越えられない そういう壁があるんですね。
不妊治療でというとやっぱり年齢の壁というのが非常に大きいので同じ人が例えば5年前、10年前だったらなんの苦労もせずに妊娠してたんだろうなということは感じますよね。」
●“卵子老化”の現実 苦しむ夫婦
卵子の老化を知らなかったために、今、苦しんでいる女性が多くいます。
不妊治療を始めて4年目になる44歳の女性です。
これまで体外受精を20回以上行ってきましたが出産には至っていません。
かかった費用は700万円以上に上ります。
医師からは夫婦ともに異常はなく原因は卵子の老化しか考えられないと言われました。
44歳女性
「今までこんなに婦人科系で 具合が悪くなることもなかったので
結婚すれば子どもはできると思っていたので ショックを通り越して 奈落の底に突き落とされた感じ」
なぜ妊娠しやすい時期を逃してしまうのか。
この女性は関東地方で教師をしています。
仕事を覚えるのに必死だった20代。
夫と出会ったのは36歳のとき。
責任ある仕事を任され、休日出勤も頻繁にありました。
一方、夫も転職を考えていた時期でした。
結婚したのは40歳。
年を重ねても子どもはできると思い、仕事優先の生活を送ってきてしまったのです。
「もっと早く(卵子の老化を)知っていたら 主人も私も もっと早く結婚したのかもしれないし
とにかく子供を作らなきゃという気持ちにはなっていたんだろうなと」(中略)
ゲスト杉浦真弓さん(名古屋市立大学大学院教授)
私の所にも40代の患者さんたちがものすごく今、増加しています。
中にはいろんな事情で避妊をされた方たちもいらっしゃって、今の不妊治療、流産に直面して初めてそのことを強く後悔している、そういった方たちがたくさんいらっしゃいます。
20代の前半ですと6%の不妊症が、40代ですと、64%になります。
ですから、やはり20代が一番妊娠しやすいというふうに考えられると思います。
●知られていない 卵子の老化
卵子は胎児のときに最も数が多くって、そして50歳でゼロになるまで、どんどん減少していくんですね。
減少するだけではなくて、染色体という遺伝のもとになっているところの、過不足が年齢とともに増加してきます。
それによって、妊娠が成立しない、妊娠能力がどんどんなくなっていくということが起こりえます。
同じような原因で、染色体の異常によって、流産も、それから着床障害、そして受精の障害も起こってきます。
(卵子の老化が不妊の大きな要因になっていることを)社会が知らないんだと思います。
まず日本では、生殖に関する教育を全くしてこなかった。
高校の教科書にも、なかなかそういった不妊症ということばが出てこない、家族計画ということばは出てきますけれども。
それから一般の人たちは通常、メディアを通じてそういった不妊の知識などを得ているんですけれど、芸能人の方々、例えば45歳で出産するというニュースが流れると、自分も45歳で出産できるというふうに誤解をされる方が多いと思います。
避妊ですとか、性感染症のところが中心的になっている、そういう教育がされてきた結果かなと思います。
●ハードルが高い体外受精
私たちにとっては、(体外受精で出産した方、35歳で16.8%、40歳で8.1%というのは)常識的な数字なんですけれど、一般の方たちは、例えば体外受精というのは、非常にハードルが高いんですが、その体外受精さえすれば、出産に至るというふうに、体外受精さえすれば100%妊娠できると、魔法の治療だというふうに勘違いをされてる方もたくさんいらっしゃると思います。
ですから、魔法の治療と思っていた治療にやぶれて、うまく妊娠ができなかったときに、非常に傷ついておられる方たちも、たくさんいらっしゃいます。
(卵子を凍結しようという)そういったお気持ちは、よく分かるんですけれど、ただ、まだまだ妊娠が確約された治療ではありませんので、現実的なものではないと考えられたほうがいいと思います。(後略)
ふぅ~. まあ,これ食っておちつけよ...
男女あっての夫婦生活ですから、我々としては、男としての役割は果たせているのか、省みる機会としてみたいですね。
男が甲斐性ないからこうなった、というのもゼロではないはずですし。もちろんそれ以外のところの方が大きいのでしょうけど。
こういうことで問題先送りしてきたから,こうなったと,「なぜ」わからないのか.
普通,こういう大事なことは,中学2年生のときに女子だけ集めてちゃんと教えるか,部活の先輩がちゃんと教えておかないとだめでしょ.
少子化も進んでますし・・・
後から知ったというのでは悲しいですしね。
少子化も進んでますし・・・
後から知ったというのでは悲しいですしね。