師走の声を聞くと同時に、朝晩の冷え込みが強くなってまいりました。時は容赦なく過ぎ、今年も残すところ1か月を切ってしまいましたね。
読者の皆様は、きたる本格的な冬に向けての支度は進んでいますでしょうか。私「くりぼう」は、例年のごとく、まずは忘年会の予定をしっかり立てて、その合間を埋めるようにタイヤ交換や年賀状書き、その他諸々の用事に取りかかることになりそうです。
さて、前回紹介したブラジルからの留学生Dr.Pも先日帰国され、右隣のデスクは再びコーヒーメーカーの置台に逆戻りしてしまいました。
そのDr.Pですが、私と同じく尿流動態検査に力を入れていらっしゃるとのことで、当院での検査の様子も見学していただきました。やはり人間は(少なくとも泌尿器科が好きなおっさんは)トイレにいるときが落ち着くようでして、便器を囲んでの微笑ましい日伯交流となりました。ブラジルでは、他の診療科の医師が、排尿機能に関する専門的な検査を泌尿器科医師に依頼するらしいですよ。ちょうど、我々が心電図やCTをオーダーするように。
Dr.の会話が流暢な日本語でなければ、おそらく自分の耳を疑ったはずです。「専門的な検査の適応は専門家の医師が判断するのが当然で、それが侵襲的な検査であればなおさら」というのが我々の感覚ですし。
しかし、どれが最善かという話はさておき、万事、我々の常識がグローバルスタンダートである、もしくはそれに近いもののはずだという思い込みは危険ということですね。
わずか数十センチの距離から地球の真裏へ。これまでも様々な出会いと別れがありましたが、距離的にこれほど遠い別れというのは、理論上絶対に存在しません。機会があったら、近くに寄ったら、なんてことは簡単には申せませんし、このブログのことを教えておけば良かったなと少し後悔しています。
新品のコーヒーメーカーで淹れるコーヒーもどこかほろ苦く感じるこの頃ですが、身体とは正直なもので、そうこうしているうちに利尿がついて、つかの間の感傷も尿意に気圧されたりもします。
でもDr.Pなら、「それでイインダヨ!」と、排尿機能に携わる医師として優しく微笑んでくれそうな気がしますね。
この世で最も遠いところに住んでいる同志との、奇跡と呼んで差し支えないような今回のご縁を神に感謝しつつ、最後は難しい話は抜きにして、Dr.の祖国での幸せを願いたいと思います。
国が違えばいろいろ違うものなのですね。
生活習慣なんかに関しても随分と異なりそうですからね。
ちなみに膀胱内圧測定を他科医師がオーダーするのは、内圧測定をしていないと保険が効かないためとか。まあ、日本でいうところの「保険病名」のような感覚でしょうか。
まさに、所変われば・・・ですね。