泌尿器科が好きなタダのおっさん

_とある医局の風景をつづります_

赤紙の思い出

2010年08月07日 21時29分48秒 | 雑用
暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。暑さに弱いくりぼうです。

最近公私とも色々とありましたが、ふたつ紹介しておきます。

①排尿障害研究会の発表。いつも似たような内容で恐縮ですが、それなりに真面目に頑張ったつもりです。当日は、外勤先の看護師さんも大勢来ていました。
本日そこの病院で外勤してきました。何か看護師さんからコメントいただけるかなと淡い期待を抱いていましたが、淡い期待を抱いていると悟られなかったのがせめてもの救いでした。

②赤紙が届きました。病棟からの召集命令です。昨日の晩飯も思い出せない小生にとっては、約1年半ぶりの業務は事実上、一からのスタートに近いです。
当面の目標は、点滴が上手になることと、朝寝坊をしないこと。他人の一皮剥くのは慣れていますが、自分もひと夏で一皮剥けるように頑張りたいと思います。


        


実は今から18年前のこの時期、高校時代の恩師から赤紙を貰ったことがあります。「赤紙」の意味などよく分かっていない高校1年生の時です。(ちなみに、赤紙の赤は赤信号の赤だと思っていました。)
今も昔も倫理観に乏しい私は、社会科の「倫理」という科目の期末テストで「0点」を取り、落第しかけました。そして通知表に挟まれた赤い紙。赤紙を貰った出来損ないはワシが家庭訪問する、という担任の通達でした。

家庭訪問当日。親には、赤紙貰って家庭訪問とは口が裂けても言えません。高校なのに丁寧に家庭訪問なんてあるのかと思っていたに違いありません。師は、私の0点のことには一言も触れずに、そっと2冊の問題集を「お土産」と言って渡して下さいました。師が直々に編著した英単語や英文の問題集でした。生意気な私は、売れ残ったのをくれたのかな、くらいにしか思いませんでしたが、後日、高校近くの本屋で同じ問題集が普通に売られているのを見ると、何故か制することができないくらいの感謝の念が沸き起こったのでした。

今でも家庭訪問の時の光景が鮮明に記憶に残っています。私の勉強部屋も覗いて行かれました。部屋に飾ってあった表彰状が、小学校1年生の時に版画コンクールで獲ったものと英検3級の合格証明書の2枚だけ(しかも、版画は担任の先生にかなり手伝ってもらったもの)で、話題に窮していた師の表情が思い出されます。


20年近く経った今でも、年賀状で近況を報告させていただいている、生涯忘れえぬ恩師です。程よく色あせた医師免許証と純白の白衣を纏った姿を一度お見せし、ご恩に報いたいものだと、毎年この同窓会の時期はその思いが一層強くなります。

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