早起き派になる方法

2013年11月18日 | Competitor Running
…という、"Competitor Running"誌の記事です。

確かに、フルタイムワーカーが練習時間を確保しようとするならば、早起きするべきですからね。

吾輩としては、光目覚まし時計に興味があります。"Lite Book"も"Phillips Go Lyte"も日本で入手可能みたいですが、ちょっと高いのが玉にキズです。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「朝ランナー」になる方法
by Linzay Logan


”早起きさん”になるには、ちょっとした事から変えるのが肝である。

 
 夜更かし派の人にとって、”朝ランナー”になるというのは夢のまた夢なように思われるらしい。朝は少しでも長く寝ていたいと思い、結局は夜に練習することになるランナーにとっては、目覚まし時計のスヌーズボタンが手の届く範囲にある状況で早起きするのは超絶的な妙技のように思える。しかし多くのランナーにとって朝にラントレーニングするのは、必要に迫られてかもしくは夜に走られなくなるリスクを恐れて、が理由である。仕事/家庭生活/用事/責任感等があると、夜にランニングする時間を確保するのは殆ど不可能なように思われる。

 せめて30分間でも早めに起床したら、日常生活や仕事に取り掛かる前に何とかラントレーニングが出来るに違いない。スヌーズボタンを押さず、早起きする習慣を体得するのは大変なように思われるが、Tracey Marks(精神科医/心理学者/”Master Your Sleep”の著者、アトランタ在住)は、誰もが早起きする習慣を体得できると主張している。Marksは「誰もが夜更かし派から早起き派に転換出来、日中によりエネルギッシュな/集中力を高く保てる人間になれると考える」と語る。
 
 Marksによると、夜更かし派→早起き派の転換は一夜にしてできるものでは無く、生活習慣を変えることが必要だと主張する。つまり「いつまでも夜遅くまでiPadを弄っていたら、いつまで経っても早起き派にはなれません」ということである。

 ランナーも同じで、一夜にしてガラッと変えようというよりかは、ちょっとした生活習慣(特に睡眠関連)の変更の積み重ねこそが成功への近道である。以下に、Marksが推奨する「ちょっとした生活習慣の変更」を纏めた。

ちょっとづつ、確実に変化する

 まずは目覚まし時計の設定時間を20~30分程早めてみよう。Marksによると、これ位のちょっとした変更であれば、身体にショックとならず、次第に適応出来るようになる。理想の起床時間に到達する迄、毎日20~30分間づつ目覚まし時計の設定時間を早めてみる。いつかは身体が新しい起床時間に馴れ、目覚まし時計も必要にならなくなるだろう。

太陽光を浴びる

 Marksは「(夜更かし派→早起き派に転換する為に)最も効果のある方法は、太陽光を浴びる等の光療法である。この方法は特に、夜更かし気味で疲労を感じていないという人に当て嵌まる」と語る。彼女が推奨する具体的な方法は、眼が覚め次第直ぐにカーテンを開け、部屋に太陽光を取り入れることである。彼女は「早朝に太陽光を浴びることにより体内時計が調節され、早朝から身体が活発になる一方、夜になれば自然と身体が疲労を覚えるようになる」と語る。

 しかしながら、仮に「日の出前に起床したい」という人や、曇りがちの地域に住んでいる人の場合は、太陽光の代わりに光目覚まし時計(”Lite Book”や”Phillips Go Lyte”等)を利用することで同様の効果が期待出来る。Marksは「光目覚まし時計は、体内時計の変更/調節に極めて有効で、上手に利用すると自然に早起きが出来るようになる。光目覚まし時計は脳の睡眠/起床スケジュールに働きかけるのだ」と語る。起床時に15~20分間程光を浴びることで身体が目覚め、走る準備が整う。

生活習慣を変える
 「中には体内時計が24時間以上の周期で動いている人もいて、そのような人は生まれつき夜更かし派であり、22時以前に就寝するのは不可能である。しかしそうでない人にとっては、単に生活習慣の問題でしかない。現代人は夜遅くまでニュース番組を見るのが習慣になってしまい、その結果、自然に発生する眠気を押し殺そうとさえし、夜更かし→朝起きられないという悪循環に嵌っている」とMarksは説明する。普通に考えれば、早めに就寝すれば朝も速く起床できるのだが、多くの人は自然な眠気を押し殺そうと悪戦苦闘している。とすれば、朝早起きしたいのであれば、これ迄の生活習慣を改め、眠たくなったらさっさと就寝するのが適切と思われる。Marksは「毎日決まった時間に就寝/起床するようにすれば、その内身体もそのリズムに適応する」と説明する。

 Marksによると、ランナーは潜在的には早起き派になれる素地がある。というのも、ランニング等定期的な運動をすることにより睡眠が深くなり、その結果として目覚めも良くなるというのだ。彼女は「運動することで、睡眠がより有効なものとなる傾向がある。そして眠りがより深くなることで、目覚めた時には『充分に寝た』という実感が得られるようになる」と語る。

オフシーズンの過ごし方の指針

2013年11月18日 | Competitor Running
出典:"Competitor Running"誌です。

日本ではこれからがマラソンシーズンかもしれませんが、ご参考まで。
また、自転車ロード組はそろそろオフシーズン入りではないでしょうか。大いに参考になります。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ランナーがオフシーズンに心掛けておきたいこと
by Brandon Laan, Nov.12, 2013


 以下の事項を心掛け、オフシーズン中に弱点を解消しておこう

 オフシーズン向けの優れたトレーニング計画は、常にある質問から始まる。その質問とは「何故走るのか?」である。この質問に対する解答は、常に変化するだろう。しかしそれでも、その質問に答える所からランニングに対し色々考えるだろうし、目標設定に進むことが出来る。

 ランナーにとってのオフシーズンはそれ程長くはないだろうし、目標とするイベントの時期によって個人差がある。ただ一般的には、目標とするイベント後の10~30日間だろう。以下に、来シーズンのトレーニング計画を実りあるものとする為の10個の指針をまとめた。

 レースシーンの終わり方は、次の3つのいずれかである。つまり、
・最悪
・可も無く不可も無い、まぁまぁ
・自己ベスト達成!
である。

 結果がどうであれ、まずは休養をとって身体を回復させるのが必要である。結果が「最悪」とか「可も無く不可も無く」だった人は、直ぐにでもトレーニングを再開したいことだろう。しかし、身体には休養が必要である。積極的回復の真髄は、来シーズンにおいて基礎的持久力養成期間を始める時点で、今シーズンより高いレベルから始められるようにするところにある。

 以下の10個の指針に従うと、今年のオフシーズンが有意義なものとなり、来シーズンにおいてトレーニングを再開する頃には身体がきちんと準備出来ていることだろう。

(1)「何故走るのか?」という問いに答える
 その答えは人によりけりである。「オリンピックでメダルを獲得する為」という人もいれば、「日常生活の慌ただしさから逃避する為」という人もいるだろう。ただ何であれ、走る理由を明確化することは重要である。

(2)目標を設定する
 ランニングにおける目標を明確/簡潔に設定している人は多いだろう。中にはコーチと契約し、究極のトレーニング計画を設定している人もいるだろう。しかし、人生における目標は設定しているだろうか?。私が信頼しているコーチはかって「あらゆる行動は目標に向けたものでなければならない」と語る。仮に、トレーニング計画ではトレーニングに2時間/日割くように書かれているのに、実際には1時間半/日しかトレーニングに当てられない場合、そのようなトレーニング計画はどれだけ合理的であろうとも、適切では無い。目標設定には、以下のステップを踏むのが望ましい。

・シーズン当初の目標(例:身体能力の改善、広い視野を心掛ける)
・シーズン途中の目標(例:集中力を維持する、目標を再検討する)
・シーズン終了時点の目標(例:前年より向上する、自己ベスト達成)
・長期的な目標(キャリア/家庭生活などとの整合)

 この目標設定に際しては、配偶者などと一緒に行うのがいいだろう。そうすることで、目標が共有出来るからである。

(3)食生活をゼロベースで見直す
 トレーニングに必要なエネルギーを摂取する為の最適な食事について学ぶことは、身体能力の改善に不可欠である。体重を10kg減らしたければ、普段からきちんとした食事を摂る必要があるが、何を摂るのが良いかは個人によって異なる。ランニング友達に尋ねたりして、身体に良いレシピ集をコツコツと作ろう。

(4)勉強する
 コーチがその目的を答えられない/答えが複雑過ぎて分かり難いトレーニングは決してやってはいけない。例えば、コーチが毎週日曜日にはロング走をしようと要求したら、まずは「何故?」と問うてみよう。コーチからの解答は恐らく、「マラソンを走る為には基礎的持久力が必要だから」といったように簡潔なものだろう。これならOKである。勿論、コーチと対等に会話する為には、自分でも専門書を読んで勉強する必要がある。
 同様に、オフシーズンには水分補給/ペース/分時当りの歩数/ランニングフォーム/回復についても勉強しよう。本格的なトレーニング期に差し掛かってからでは遅い。

(5)定期的にリハビリする
 ランナーであれば、ついつい色々な回復用グッズを購入したくなる。しかし、そのような道具を購入する前に、今あるものを活用しよう。例えば、フォームローラー/マッサージ棒/逆立ち台(”Inversion Table”)/ストレッチングロープ等は持っていないだろうか?。オフシーズン中は、それらを活用したリハビリを習慣としたい。

(6)身体の不均衡を修正する
 近所の理学療法士に診察を受け、筋肉の不均衡を修正し始めよう。筋肉の不均衡を放置しておくと、やがては故障につながり、目標とするレースに向けたトレーニングがスムーズに行えなくなる。ランナーの多くは、
・ハムストリングに比べ、大腿四頭筋が過剰に発達している
・下肢の筋力に比べ、臀筋群の筋力が不足している
という特徴がある。

(7)血液検査を受ける
 自らの欠点を把握することは重要である。仮に、ランナー友達の10倍練習出来たとしても、血中鉄分濃度が低ければやがてはバテてしまうに違いない。血液検査に要する時間はほんの数分である一方、それによって時間/エネルギーを浪費することが防止できる。鉄分は、血液中で酸素の運搬を担うヘモグロビンを産生するのに必要な成分である。血中ヘモグロビン濃度/血漿フェリチン濃度はチェックしておきたい。

(8)自分用の医療チームを作る
 残念なことに、スポーツに故障はつきものである。かかりつけ医には、自分がランナーであること、そして来シーズンの壮大な目標について説明しておこう。出来れば、自分用の医療チームを作られれば申し分ない。そのメンバー構成は、以下のようにすれば良い。
・一般開業医
・カイロプラクター
・理学療法士
・マッサージャー

(9)ちょっとはスピード練習もしておく

 オフシーズン中と言えども、時々はスピード練習もしておこう。ただ、そんなに真剣に取り組む必要は無い。例えば、
・自宅から2km程走って行く
・そこから自宅に戻る迄、(20秒間ハードに走る→40秒間歩く/ゆっくりとJogする)を繰り返す
といった方法で構わない。

(10)筋力トレーニングをする
 基礎的持久力を追求する前に、筋力トレーニングを行っておきたい。ただ、一度にあれもこれもと手を広げるのは、身体にとって負担となりかねないので注意したい。また、適度な休養を取り、オフシーズンを楽しむのも大切である。

今日の午前中はのんびりしました/ランナー膝対策法

2013年11月18日 | Competitor Running
今朝は予告通り、朝稽古を休みました。
時間に余裕が出来ましたので、久しぶりに鶏がらスープを自作しました。4食分作ったので、明日から暫くはちゃんこ鍋大会です(嬉)。

明日はロング走の予定です。今のところ、25km走を予定していますが、調子に乗ったら大阪城公園周回を増やして30km走にするかも…、です。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
"Competitor Running"誌からの転載です。

日本では「ランナー膝=大腿筋膜張筋が原因」説が主流みたいですが、対策という点では、広い眼で見れば股関節外転筋群を満遍なく強化するのが適切だと考えます。

本稿では、レジスタンスバンドを用いたラテラル・ウォークを推奨していますが、日本人たる吾輩としては、股関節全体を強化出来る四股を推奨します。


膝の故障予防の為には、臀筋を鍛えよう
by Matt Fitzgerald, Jun. 12, 2012


 膝関節は、ランナーで最も故障が発生し易い部位である。オーバーユースに伴う故障の約半分は膝関節で発生している。そして、ランナーで最も典型的に見られる膝関節の故障は膝蓋大腿痛症候群(Patellofemoral Pain Syndrome, PFPS)である。PFPSの奇妙な特徴は、膝関節の構造に何らかの障害が発生するのが原因ではない、という点である。PFPSの定義は、膝蓋直下に痛みが発生するということである。
 
 整形外科医の間では、PFPSは膝関節の軟骨軟化症もしくは膝関節にある軟骨(半月板?)の亀裂と関連している、と考えられている。しかしある調査では、膝関節の軟骨軟化症を患っている人でもPFPSが認められない場合があるし、その逆もあり得ると報告されている。筆者の個人的経験によると、PFPSと膝関節の軟骨軟化症を同時に患い、しかも両者の間には何ら関連がなかった。というのも、筆者は膝関節の軟骨軟化症に対する手術を受ける以前の2年間、PFPSに悩まされていた。そして、断裂した軟骨を除去し、膝関節の動きは問題なくスムーズになった。しかしランニングを再開して直ぐに、PFPSによる痛みが発生したのだ。

 また専門家の間では、PFPSの主たる原因は、ランニング中において膝蓋骨がランニング動作にきちんと追従できていない事とも考えられている。しかし他の研究では、この説も否定されている。現在では、PFPSの最も一般的な原因は、臀筋群(≒中殿筋?)の筋力不足に伴うX脚ではないかと考えられている。その理由は次の通りである。
 ランニング動作においては、片脚が地面に着地している間、上半身が(浮いている)遊脚側に傾かないよう、着地脚側の臀筋が上半身を支持すべく作用する≒筋力を発揮する必要がある。しかし、仮に臀筋が要求される筋力を完全に発揮できない場合、着地脚の膝関節が代償作用を発揮する必要が生じ、膝関節はX脚状になる。その結果、膝関節内部の半月板が大腿骨/脛骨によって不自然な形で挟まれる。この状態が反復されるとやがて半月板が損傷し、痛みが発生する。

 現在では、PFPSに対する標準的な治療方法として、股関節外転筋群(中殿筋/小殿筋/大腿筋膜張筋/縫工筋)を強化することが実践されている。その有効性については、カルガリー大学の研究グループが調査している。25名のランナーを被験者(PFPS発症者15名、健常者10名)とし、PFPS発症者には3週間に渡って股関節外転筋群の強化トレーニングをさせ、健常者には何もさせなかった。

 試験前後で、
・股関節外転筋群の最大筋力
・X脚の程度
・ランニング時の歩幅のバラつき
・痛みの程度
を測定/評価した。健常者との比較では、試験開始前のPFPS発症者の特徴として
・股関節外転筋群の筋力が低い
・ランニング時の歩幅のばらつきが大きい
・X脚の程度には同等
が確認された。また、試験終了後では、PFPS発症者において
・股関節外転筋群の筋力は向上した
・ランニング時の歩幅のばらつきが小さくなった
・痛みが軽減した
・X脚の程度には変化が見られなかった
という特徴が確認された。

 勿論、痛みの軽減が主目的であり、その点では股関節外転筋群の強化は有効と考えられるが、この試験結果だけでそのように結論付けるのは早計である。というのも、実験水準の設定が不十分だからである。本来ならば、少なくとも(PFPS発症者×股関節外転筋群の筋力強化無し)という実験水準を設定して比較/評価すべきである。ただ少なくとも、股関節外転筋群の筋力強化が膝関節の運動に何らかの影響を及ぼし、その結果としてランニング時の膝関節の負担が緩和される可能性がある、とは言えるだろう。

 では、股関節外転筋群の筋力強化に有効なトレーニング方法は何だろうか?。筆者が推奨するのは、抵抗バンド(レジスタンス・バンド)を用いた横歩き(ラテラル・ウォーク)である。やり方は
(1)抵抗バンドを足関節に取り付ける
(2)膝関節を軽く曲げた状態で、抵抗バンドに張力がかからない程度に両脚を左右に開く
(3)そこから右脚を右側に動かす
(4)右脚が地面に着いたら、左脚を同じ距離だけ右側に動かす
(5)右側に20歩進んだら、今度は左側に20歩進む。
(6)よりキツイ負荷をかけるならば、抵抗バンドをより高い位置で固定する
というものである。


脳を騙し、持久力を向上させる方法

2013年11月15日 | Competitor Running
…という内容の、"Competitor Running"誌の記事です。

メンソールは知りませんが、炭水化物/カフェイン/アミノ酸(タンパク質の構成成分)は個別に入手可能(カフェインは海外通販サイトになりますが)なので、試してみてもいいかもしれません。
ま、そこまでやらんでも…とも思いますが。

それにしても、疲労≒疲労「感」という考え方は興味深いです。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ランニングのために、脳に栄養分を供給する
by Matt Fitzgerald


 ランニングをもっと「楽に感じる」為の手段について

 一定のペースで走ると、いつかは疲れてペースが落ちる。例えば、自らが出せる最大スピードの50%でランニングを開始すると、数時間はそのペースで走り続けられるだろう。しかし、自らが出せる最大スピードの75%でランニングを開始すると、ほんの数分で疲れを覚えるだろう。

 ランニング中に身体が疲労するにつれ、体内で様々な変化が発生する。そのような特異な変化は、スピードに依存する。そのような変化の幾つかを用いて、身体が疲弊し始める時点を予測することは可能である。様々な環境における疲労の発生時点を予測するのに科学者が用いている指標には
・血中乳酸濃度
・筋グリコーゲン濃度
・呼吸率
・深部体温
等がある。しかし、いかなる運動強度においても疲労の発生を予測するのに最も有効な指標がある。それは「疲労度の認知」=運動の継続が困難と感じること、である。

 どのような強度であれ、運動を継続するにつれ、時間の経過と共に認知する疲労度は直線的に増大する。従って科学者達は、ランナーが認知する疲労度の増大率は、その後どれだけ運動を継続し続けられるかを正確に予測するのに利用可能だと考えている。

 では、なぜ「疲労度の認知」という漠然とした心理上の変化が、運動疲労の予測において他のどの指標よりも優れているのだろうか?。一部の科学者達は、疲労「感」こそが疲労の真の原因であるからだ、と考えている。言い換えると、我々は疲労を「感じた」からこそ、走るペースを落としているのだ。

 この考え方を強力に支持する研究結果も報告されている。それによると、一部の栄養成分/薬物は脳に作用し、脳の認知能力を低下せしめることで運動能力を向上させるのだとか。またそれらの研究報告においては、疲労「感」が運動における疲労の原因であることを立証すると共に、ランナーがレースでの成績を向上させられ得るような方法を紹介している。

 以下では、ランナーがランニング中に感じる疲労感を軽減することで、持久力の能力を向上させられる事が立証されている4つの栄養成分/合法薬物を紹介する。

(1)炭水化物
 一般には、運動中に炭水化物を摂取することにより、活動中の筋肉が利用出来る「貴重な燃料」=グルコースの量が増大するので、その結果運動能力が向上すると考えられている。この考えは正しいのだろうか?。残念ながら、部分的には誤っている。
 
 バーミンガム大学(英国)の研究グループが発表した一連の報告によると、運動中にスポーツドリンクを定期的に口に含み、それを飲み込まずに吐き出すだけでも持久力は向上する。その理由として、炭水化物を口に含むだけで脳内にあるグルコース受容体が活性化し、そのグルコース受容体は脳内で疲労の認知を制御する部位と連結しているので、認知している疲労度が低下し、結果的に運動能力が向上する、としている。

 スポーツドリンクで口内を濯ぐことが、スポーツドリンクを飲み込むのと同等の効果を発揮するというのは考え難い。というのも、スポーツドリンクを飲み込む事で水分とエネルギー源が同時に補給されるからだ。しかしランニング中においては、大量の水分を摂ることが困難な場合もある。そのような時でも、スポーツドリンクで口内を濯ぐことで代替とするのは可能だろう。

(2)カフェイン
 運動能力における脳の役割が余り明らかになっていなかった15年前では、科学者達はカフェインについて、摂取することで脂肪の燃焼が促進され、運動能力が向上すると考えていた。現在では、カフェインが脳内のアデノシン受容体を阻害し、その結果として認知される疲労度が低減することで持久力が向上することが知られている。

 カフェインを摂取することで認知される疲労度が低下し、その結果「耐えられ得る疲労度」の上限が向上する。
 
(3)メンソール
  メンソールとは、ミントの精油から抽出される有機化合物で、冷「感」を特徴とする。実際には、メンソールが皮膚(舌を含む)と接触しても、皮膚温自体は低下しない。あくまでも脳を「騙し」、冷えた「感じ」を認知させるだけである。

 このメンソールが運動能力と同関係するのだろうか?。2009年に報告された研究結果によると、暑熱環境下のサイクリングにおいて、被験者に10分毎にメンソール溶液を口に含ませると、持久力が約9%向上した。この実験では、被験者は疲労する迄一定ペースで走らされた。被験者が認知した疲労度を測定した所、メンソールを摂取した群では認知した疲労度が低く、その結果より長い距離を走り続けられたとのことである。
 
(4)プロテイン
 Michael Saunders(James Madison大学)のグループが実施した一連の研究で、スポーツドリンク(主成分は炭水化物)に少量のプロテインを添加したものの方がより効果的であることが示された。その理由については未だ明らかにはされていないが、2006年に開催されたスポーツ医学学会の年次総会において、Saundersは認知される疲労度の低減が理由の少なくとも一部であると発表した。

 理由の一つに、(プロテイン+炭水化物)を摂取→消化することで、血中のアミノ酸濃度が増大する事が挙げられる。血中のアミノ酸濃度が増大することで、運動に伴う疲労の大脳による認知が遅らされることは既に立証されている。また、運動中にプロテインを摂取することで筋肉の損傷が減少することを理由とする考えも提唱されている。確かに、炭水化物しか含まないスポーツドリンクを摂取する場合に比べ、プロテインを添加したスポーツドリンク=(プロテイン+炭水化物)を摂取することで筋肉の損傷が減少することも既に立証されている。

 



今日は雨休み/頂き物♪/大相撲九州場所/ランナーのためのヨガ

2013年11月15日 | Competitor Running
天気予報大当たり、でした。
が屋根を打つ音で目覚めましたし。
ということで、朝稽古はお休み。
明日は大阪城公園でテンポ走か?。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
お客様であるTさんから、ファミリーマートの「明太子パスタ」を頂きました。

やっぱり和風味は美味しいしヘルシーです。
Tさん、有難うございました♪。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
大相撲九州場所も六日目となりました。
お客様であるFさん、ご当地場所で快調に三連勝です。
下半身強化の効果が現れたか、叩きにも屈せず、落ち着いて相撲を取ってます。
このまま一気に勝ち越ししていただきたいです!。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ランナーのためのヨガの勧めという記事が"Competitor Runnning"誌のWebサイトに掲載されていましたので、日本語化しました。

文中にある"The Athlete's Guide for Recovery"、吾輩、日本語化したPDFファイルを持っています。興味のある方、無償で配布いたします。連絡下さい。

故障予防&疲労回復目的でヨガ
by Sabrina Grotewold, Nov. 08, 2013


 筋肉の柔軟性/敏捷性/筋力を向上させると共に、集中力を高める為に。


 ランナーを始めとする持久力系競技のアスリートが健康でスポーツを楽しむには、筋力の不均衡を修正すると共に、使い過ぎに拠る怪我を予防し寿命を伸ばす為の何らかの手法に取り組む必要がある。ヨガはそのような手法の一つである。ヨガは筋力/柔軟性/敏捷性の向上に寄与し、筋骨格系の不均衡を是正し、心を鋭敏にし、高強度のトレーニングによる疲労の回復を促進する効果がある。

 「ヨガは、長年に渡るトレーニングによっても鍛えられない弱点を浮き彫りにする」と語るのは、アシュタンガ・ヨガ/ジワムクティ(”Jivamukti”)・ヨガのインストラクターであるYuMee Chungである。

 Chungは、持久力系競技のアスリートに「陰」のヨガを勧める。「陰」のヨガとは身体を鎮める効果を有するもので、ランニングのような活発な「陽」の動きとは逆のものである。「陰」のヨガは下半身に特化し、股関節に効く。そして動きがゆっくりで、個々のポーズを行う際に精神を集中することを要求するので、見た目とは異なり筋力を必要とし、健康増進効果がある。一つのポーズを5分間以上維持するので、硬化した/痛みがある/場合によっては炎症を起こしている筋肉/組織/筋膜/関節に対し驚くほど効果的である。

 「一つのポーズを72秒間維持することで、結合組織/筋骨格系を修復する/再構成する効果が期待できる。ランナー/サイクリスト/トライアスリート達は特定の動きを継続して行う。これは取りも直さず、特定の筋肉だけに特定の動きをさせることにほかならない。ヨガを通じ、身体にそのような動きを強いていることを改めて気付かせると共に、普段動かさない他の全ての筋肉を刺激する」とChungは語る。

 Saga Rountreeは
(1)ヨガ指導者
(2)アメリカ陸上競技連盟/RRCA(Road Runner's Club of America)公認コーチ
(3)The Athelete's Guideシリーズへの寄稿者
(4)Carrboroヨガ教室(Carrboro、ノースカロライナ州)の共同経営者
である。そのRountreeも持久力系競技のアスリートに、高強度の持久力トレーニングを補う手法としてヨガを薦めている。

 Rountreeの近著”The Athlete's Guide to Recovery”(邦題「リカバリー ーアスリートの疲労回復のためにー」ISBN 978-4905168225 )では、1章を疲労回復のためのヨガに充てている。そこでは身体をリラックスさせるためのゆっくりとした動作のポーズを紹介している。それらは、高強度の有酸素運動に慣れているランナーにとってはゆっくり過ぎて物足りなく思えるかもしれないが、それこそが「狙い」である。ヨガの目的は、身体に負荷をかける事でなく、身体を回復/再生することである。全ての動作をよりハードに/より速く行うことは故障の原因となる。
 
 ランナー/トライアスリートでもあるRountreeは、競争心に逸る野獣(=アスリート)を大人しくさせるのが難しいことも十分承知している。それでも彼女は、自分のレッスンを受講するランナー達に、逸る気持ちを集中力に転化すると共に、ヨガがランニングとは全く異なる能力が試されるものであることを認識するよう指導している。

 Rountreeは「『ヨガが簡単だ』とか『ヨガは難しい』と感じる人は、自分にあったクラスを選んでいないだけである」と語る。

 Rountreeは複数のヨガの流派を”いいとこ取り”している。彼女のレッスンはウォームアップ→20~30分間の座位のポーズ→60~70分間の立位のポーズといった流れで進行する。彼女がランナー向けのレッスンで重視しているのは
・股関節を拡げる
・腸脛靭帯を伸ばす
・体幹の筋力を向上させる
ことである。具体的には
・鳩のポーズ(股関節)
・プランク/戦士のポーズ3(体幹)
・鷲のポーズ(下腿~足関節)
・弓のポーズ(全身)
を好んで実践している。

 自分にあったスタジオ/指導者/クラスを選択するには試行錯誤を要する。しかしそれは、身体を活性化する/集中力・筋力・バランス維持能力・柔軟性を向上させるだけの効果がある。具体的には、「ランナー向けのヨガレッスン」というクラスを探して選んだり、スタジオに問い合わせて持久力系の競技を実践している指導者がいるかどうか問い合わせたりしてもいいだろう。

 自宅でもヨガを、ランニング後のクールダウン&動的ウォームアップの一環(太陽礼拝のポーズ等)で10分間程度実践してみよう。ただRountreeは「いかなるポーズも、いたずらに長い間とり続ける必要は無い。そうすることで、筋力が低下する恐れがある。現在では、ランニングなどの前に静的ストレッチを行うのは良くないと考えられている」と注意している。

 では、持久力系競技のアスリートにとって、ヨガには潜在的な欠点は無いのだろうか?。

 この点に関しRountreeは「高強度のトレーニングを行っている時期には、過剰な力をかけてヨガを行うのは止めた方が良い」と指摘する。また、身体に負荷をかけるトレーニングを行っている期間は、室温:35~38℃という環境下で行うホット・ヨガは既に疲れた身体に更なる負担をかける事になるので勧められないとアドバイスしている。


 

練習を休んだ後の再開について

2013年11月11日 | Competitor Running
日本でも、年末年始明けに相当するでしょうか。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
練習を休んだ後の再開について(ビギナー/ベテラン向け)
by Sabrina Grotewold


 秋のレースシーズンが終わると、大半のランナーは高強度のトレーニング/レースを切り上げて休暇期間に突入することだろう。その間には家族や友人と一緒に過ごし、同時に心身を休ませることになる。しかし休暇期間が終わり、トレーニングを再開する時期になると、ランナーたるもの再開するトレーニングに向けて身体を整える必要が生じる。

 新年の声を聞くと(もしくはクリスマス休暇期間中に食べたクッキーの多さを反省して?)、そろそろ体重を落として身体を調整せねば…と考えるランナーも多いだろう。

 Matt Forsmanコーチ(アメリカ陸上競技連盟公認、Road Runner's Club of America公認)の作成するトレーニング計画はサンフランシスコのベイエリアで人気を博している。それらにおいて、基礎的持久力を養成するパートについては2つの要素を考慮して組み立てられている。その要素とは、
・ランニングの経験
・休暇をとった理由(怪我、レース後の回復期間、長期の休養等)
である。
 以下は、彼のアドヴァイスである。

ビギナー向けのアドヴァイス

 休養が長期に渡った場合、まずは(ラン+ウォーキング)を定期的に行うのが良い。練習量は徐々に/計画的に増やす。ランニング未経験者の場合、最初は(ランニング3分間+ウォーキング2分間)×2反復=合計10分間というメニューを2回/週×2週間実践する。

 第3週には、週末に10分間のランニングを追加する(合計30分間/週となる)。第4週には(ランニング4分間+ウォーキング1分間)とする。また、(ラン+ウォーキング)を行わない日には他の有酸素運動(スイム、固定バイク等)を低~中強度で20~30分間する。

ベテラン向けのアドヴァイス

 ベテランの場合、怪我の治療が休みを取る理由という場合が多いので、まずは怪我の内容/休んだ期間の長さ/怪我をする前の走行距離(平均)を考慮する必要がある。

 ここでは、怪我等が重傷ではない(重傷=疲労骨折や手術を要するレベル)という人を対象とする。
 最初の2~4週間はスピード練習を全くせず、LSDレベルのランのみとする。週次の走行距離は、怪我等で休む前の半分とする。週の終わりには、身体の調子/兆候を確認する。

 トレーニング計画について何らかの指針を求める人は多いが、そのような指針に拘る余り、身体が呈する兆候に気付かないのは問題となりかねない。ランを休んでいる間に何らかの有酸素運動を行っていたランナーであれば、休暇期間後にランニングを再開するのはそれほど難しいことではないだろう。

 身体に何も異常を感じなければ、次の4週間では練習量を10%増やしてみる。それでも問題が発生しなければ、休む前にスピード練習をしていた人は再開しても構わない。ただその場合でも、練習強度を徐々に増やすことが肝心である。休む前にテンポ走(最大心拍数の88~92%)を10分間していた人であれば、再開後は2~4分間のテンポ走から始める。トラックで練習する人であれば、400m×3~4反復から再開し、そこから800m走に迄徐々に増やすようにする。