できごと

花束のお届けで

超高層ビル最上階の

レストランへ

下調べはしたけれど

初めてづくし

混雑の都心　駅前　人通り

狼狽えるな　慎重に

16階で乗り換えて

高層階エレベーターで

52階へ

着いたところは

高級な内装の高級な店構え
次々と来る予約客

こんな世界もある

花束を抱えて

隅で待つ

声かけのタイミング

…途切れることなくお客様

案内する支配人

一瞬、途切れた

00様のご依頼の花束を

お持ちしました。

言葉はなく　

顔であっちにと示した

方向にいた制服の女性

ご予約の00様の花束を

お届けに参りました。

こちらにサインを

チラと予約表を見て

花束を受け取る

伝票にサイン

お客様のお控えです

ありがとうございました

任務終了

私は下僕か！？

言葉の一つもない

お高くとまってさ

これが最高級の接客レベルか

私はミシュランの審査員だ

な、わけないけど

心の声が…

人に対する差別

見せてもらったわ

展望フロアーの眺め

ずっとこの街にいたけれど

別世界

こうゆう時間もあるんだ

若い頃は

高い所や速い乗り物が

好きだったけれど

用がなければ

さっさと降りたい

こんな所にいたくない

羨ましくもない

森を歩いて　

森で過ごす時間の方が好き

鳥　花　風　光煌めく

豊かな時間

行きたい　あの場所へ

高層ビル群専用路から
はやく帰ろうって　どっち？

戻り道が　こっちか？

あれっタクシーレーンに

入ってしまい

誘導員にめちゃくちゃ怒られ

ごめんなさいと謝るも

レーンを出るにも大混雑

しっしっと誘導灯

嫌な奴　悪いのは私だけど

この人愛されてない人だわ

なんか私

どんくさいオバチャンに

なっとるやん

パトカーに捕まったり

道間違えたり

花のお仕事20年の経験を

生かして転職したけれど

こんなに配達あるなんて

ふう

たいへんだったにゃ

　

がんばれ私。

メリークリスマス