ダリンにはナイショ♪

「いつも念入りな化粧直しだけど、家に帰らなくていいワケ？」
って、先輩　これは帰るためだけの化粧直しですから。
カオリです。
＊＊＊


クラブ活動の帰り。
終電を降りてダリンにメールをしてたら
熱視線を浴びてる気がしたので顔を上げた。


「よぉ、久しぶり！」

「うわっ！…ホント久しぶりだねっ」

「ちょっと太った？」

「あーもう！いきなりそんなこと言う！？」

「いや、幸せそうだなと思ってさ」


２年ぶりに会う大野君は
相変わらず優しい目をして話す。

歩きはじめてダリンに電話をしてみる。
「気をつけて帰るから大丈夫だよ～」
と言いたかったけど、出ない。
お風呂かな？


「どうよ？結婚生活はうまくいってる？」

「一応ね」

「なんだよ、自信持って答えてよ」

「そっちはどうなの？彼女はいるんでしょう？」

「セフレって言うの？そういうのは何人かいるんだけどねー」



セフレ？？？



小学校４年の席替えで
私と席が離れたからって泣いちゃって
その日、給食も食べなかったあなたが？


中学２年の時
授業が終わった途端
前のドアから入ってきて
「誕生日おめでとう！」
ってプレゼントをくれてみんなを驚かせたあなたが？


高校生になって初めてデートをした時
「なんか緊張しちゃうね」
なんて困ってたあなたが？


私が結婚する時
「オマエの家庭を壊すようなことはしないから」
と意味不明なことを言ってたあなたが？


セフレ？？

何人か？？



「もうホントに好きな人なんてできない気がするよ」

「今はそんな余裕ないだけでしょう？」

「そうかな…」



「家に着いちゃったね。じゃあ、またね」

「うん」

「また連絡するからな」

「う、うん」

「じゃあな、おやすみー」

「おやすみ」


…午前１時に家の前でそんなこと言わないでほしい…。
ダリンに丸聞こえだよ…。
いつも連絡とってるような言い方すんなー！！


「ただいまーー」

あれれ？ダリンがいない。

しばらくしてガチャリとダリン帰宅。

「メール来たから迎えにいったんだけど、無駄足だったか。おかしいな、会わないなんて。」


ダリンごめん。
一人じゃなかったから
暗い近道を通ってきたんだよぅ。


「おかしいねぇ。でも、ありがと」


せっかく迎えにきてくれたんだから
帰りにあったことは内緒にしておきましょう。