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AEON Supply

2006-10-15 12:33:50 | マネー&ポリティックス
丸紅・ダイエーがイオンとの提携交渉開始へ、マルエツ株の譲渡も(ロイター) - goo ニュース

ホークスがファイターズに負けてまたもや日本シリーズ進出が叶わなかった翌日、ダイエーではホークス応援
感謝セールが始まっていました。ホークスはもうダイエーの持ち物ではないのですが、ソフトバンクとの間で、
譲渡後数年間は優勝セール(もしくはそれに似たセール)をやってもよいというお許しを得ているのです。

ハッキリ言ってしまえば、ダイエーが存続しえている理由の一つが毎年10月ごろに行われるこの手のセールでは
ないかと思います。この時期になると、うちの近所にあるダイエーもお客さんが急増して「にわかホークスファン」が
どっと増えます。だから10月の来店客数はいつも多いのですが、一方で大セールのおかげで利益増加に
直結することはありません。

ところで、ダイエーの提携交渉先にイオンが決まりそうだというニュースが流れ出して以後、アメリカにも同じような
状態になっている会社があるなと気づきました。GMです。GMはルノー/日産連合と経営統合を目指すのではと言われながらも、
最終的には破談しました。その理由の一つには、GMがルノー/日産に「救済」されるという形を嫌ったからだと
言われています。アメリカを代表する企業だといまだに思っているGMにとっては、一部部門を中国企業に売ったIBMと違い、
会社ほぼ丸ごとを海外企業に半ば譲渡同然になるようなことをしたくはなかったのでしょう。そこはGMのメンツの
問題ともいえますが、それならばGMが自身で再建を成し遂げられるかどうかは不明です。

ダイエーはGMと似たような状況をもっと早い段階でぶち当たっていました。ダイエーのような日本各地にあるスーパーならば、
国内企業、海外の同業にかかわらず、欲しい会社は絶対にあったと思います。もしかしたら、ウォールマートは
比較的小規模店舗が多い西友よりもダイエーの方が欲しかったかもしれません。ただ、特に外資への拒否反応もあってか、
ダイエーも取引銀行も自助努力に期待し続けてきました。

確かに本業と離れた部分を売り渡すなどの努力は重ねてきました。しかし肝心のダイエーそのものは変わったとは
思えません。長く「自分たちで何とかする」意識が強すぎたように思えます。だから品揃えもパッとせず、店舗改装も
中途半端で、魅力のない店舗展開が続きました。一時期、家電販売をヤマダ電機と提携しようともしましたが、ヤマダ電機が
「ダイエーの態度が気に入らない」という感じで提携が叶わなかったこともありました。ダイエーもGMのように自らの
メンツを保ち続けたかったのでしょう。そして2004年末に何とか説得に促されたダイエーは産業再生機構による再建を
選びました(機構としてもカネボウに続く大型案件が欲しかったはず)。

そうしている間に、イオンは次々と不振の同業を傘下に収め、イトーヨーカ堂はそごうと経営統合し、セブンイレブンなどと
共に「セブンアンドワイ」を形成しています。どちらも今では日本の流通業では二大巨頭になっています。ダイエーは顧客の
ニーズよりも、社会の流れよりも、ダイエーのメンツにこだわりすぎた結果と言えます。

こうなると、ダイエーは本当に最後の再建にしたければ、メンツ云々を言っている場合ではないでしょう。これ以上駄々を
こね続けるようだと、最後には誰も助け舟を出してくれないことになります。


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