【2012年5月4週】気になるニュースや話し合いたいテーマはこちらまで
この記事についての意見:
White Sox honor Chicago Police Department(Whitesox.com)
Sox to honor Chicago police for NATO service (Chicago Tribune)
メジャーリーグを見始めて20年以上経ちます。これだけ長い間見ていると、いわゆるベースボールと野球の違いを超えた、日本とアメリカの文化や制度の違いも見えてくるようになります。
その中で最も特徴的なもののひとつが、アメリカで今週末迎えるメモリアルデーです。日本語では「戦没将兵追悼記念日」と訳されるこの日は、アメリカでは夏の始まりを意味するのと同時に、戦没兵士だけでなく広くアメリカ軍に従事する兵士を称える日となっています。いや、本来はそうなのだけれども、最近はやや形式的なところもあるという声もあるのも事実です。それでも、現在見ているフィリーズ@カーディナルス戦でも、始球式に帰還兵とその彼女が登場したり、アフガニスタンに派兵されている地元の兵士との中継を結んだりして、そういうところで感謝の念を表明しているのだなと感じさせます。
ところで、日本が月曜日の朝から金環日蝕で盛り上がっていたちょうどそのとき、日曜日の夕方を迎えていたシカゴではNATOサミットに反対するデモ隊と警官の睨み合いが行われていました。CNNは金環日蝕の話題をそっちのけで、シカゴでの模様を生中継していました。結果的にはこの騒動以上の出来事は起こらず、またサミットを狙ったテロ行為もなく、サミット自体は滞りなく終了しました(その成果は別として)。
これを受けてシカゴ市と地元球団のホワイトソックスが、NATOサミットでの警官の献身的な警備に感謝する催しが行われました。またホワイトソックスはサミット警備にあたった警官に対して無料のペアチケットをプレゼントします。
これには2つ意義があると思います。ひとつは、こうした目に見える形で警察及び社会貢献へ敬意を払うことは純粋に素晴らしいということ、もうひとつは、このチームだけでなくアメリカのプロスポーツではごく当たり前なことですが、ホワイトソックスがシカゴのチームとして地元に根差した行為を行ったことです。
後者に関して言うと、日本でもプロスポーツチームは地域社会との融合を云々と宣伝しながら、それは実は地元のファンをスタジアムに引きこむことだけに集中しているように感じられます。もちろんスタジアムの外に出てファンサービスと称して選手がいろいろを行うことはあります。でも、プロスポーツチームと地元社会の繋がりはまだ気迫に思えます。メモリアルデーや、シカゴのサミットのようなきっかけがなければそれは難しいことかもしれませんが、例えば、地元警察や消防士、あるいは自衛隊を称える日といったものが日頃からもっとあってもいいはずです。スポーツチームは目立つ存在であるので、そうしたところが率先して行動、啓蒙することに価値があると思います。それこそが「地元社会との融合」ではないでしょうか。
全ての警官や隊員が真面目で健全で讃えられるべきであるとは言っているわけではありません。しかしながら、日本では褒賞等を除いて、警察や消防、自衛隊員など、危険に従事する人たち、地域社会へ貢献している人々への目に見える感謝というものが少ないように感じられます。その一方で金環日蝕騒ぎが過ぎた火曜日、北九州市で震災がれき搬入するトラックの前に立ちはだかり、れっきとした刑法違反である往来妨害した反対派を排除しようとした警察官に対して、Twitterやブログで「非道な行為だ」と非難が浴びせられるのが今の日本です。それらの意見には、警察官ががれき受け入れという誤った判断をした北九州市に「加担」したという的はずれなものが多いのですが、彼らは当たり前の治安維持行為をしたのみです。日本ではそれすら理解されない社会になってしまいました。
震災がれきトラック、反対派が阻止…押し問答(読売新聞) - goo ニュース
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White Sox honor Chicago Police Department(Whitesox.com)
Sox to honor Chicago police for NATO service (Chicago Tribune)
メジャーリーグを見始めて20年以上経ちます。これだけ長い間見ていると、いわゆるベースボールと野球の違いを超えた、日本とアメリカの文化や制度の違いも見えてくるようになります。
その中で最も特徴的なもののひとつが、アメリカで今週末迎えるメモリアルデーです。日本語では「戦没将兵追悼記念日」と訳されるこの日は、アメリカでは夏の始まりを意味するのと同時に、戦没兵士だけでなく広くアメリカ軍に従事する兵士を称える日となっています。いや、本来はそうなのだけれども、最近はやや形式的なところもあるという声もあるのも事実です。それでも、現在見ているフィリーズ@カーディナルス戦でも、始球式に帰還兵とその彼女が登場したり、アフガニスタンに派兵されている地元の兵士との中継を結んだりして、そういうところで感謝の念を表明しているのだなと感じさせます。
ところで、日本が月曜日の朝から金環日蝕で盛り上がっていたちょうどそのとき、日曜日の夕方を迎えていたシカゴではNATOサミットに反対するデモ隊と警官の睨み合いが行われていました。CNNは金環日蝕の話題をそっちのけで、シカゴでの模様を生中継していました。結果的にはこの騒動以上の出来事は起こらず、またサミットを狙ったテロ行為もなく、サミット自体は滞りなく終了しました(その成果は別として)。
これを受けてシカゴ市と地元球団のホワイトソックスが、NATOサミットでの警官の献身的な警備に感謝する催しが行われました。またホワイトソックスはサミット警備にあたった警官に対して無料のペアチケットをプレゼントします。
これには2つ意義があると思います。ひとつは、こうした目に見える形で警察及び社会貢献へ敬意を払うことは純粋に素晴らしいということ、もうひとつは、このチームだけでなくアメリカのプロスポーツではごく当たり前なことですが、ホワイトソックスがシカゴのチームとして地元に根差した行為を行ったことです。
後者に関して言うと、日本でもプロスポーツチームは地域社会との融合を云々と宣伝しながら、それは実は地元のファンをスタジアムに引きこむことだけに集中しているように感じられます。もちろんスタジアムの外に出てファンサービスと称して選手がいろいろを行うことはあります。でも、プロスポーツチームと地元社会の繋がりはまだ気迫に思えます。メモリアルデーや、シカゴのサミットのようなきっかけがなければそれは難しいことかもしれませんが、例えば、地元警察や消防士、あるいは自衛隊を称える日といったものが日頃からもっとあってもいいはずです。スポーツチームは目立つ存在であるので、そうしたところが率先して行動、啓蒙することに価値があると思います。それこそが「地元社会との融合」ではないでしょうか。
全ての警官や隊員が真面目で健全で讃えられるべきであるとは言っているわけではありません。しかしながら、日本では褒賞等を除いて、警察や消防、自衛隊員など、危険に従事する人たち、地域社会へ貢献している人々への目に見える感謝というものが少ないように感じられます。その一方で金環日蝕騒ぎが過ぎた火曜日、北九州市で震災がれき搬入するトラックの前に立ちはだかり、れっきとした刑法違反である往来妨害した反対派を排除しようとした警察官に対して、Twitterやブログで「非道な行為だ」と非難が浴びせられるのが今の日本です。それらの意見には、警察官ががれき受け入れという誤った判断をした北九州市に「加担」したという的はずれなものが多いのですが、彼らは当たり前の治安維持行為をしたのみです。日本ではそれすら理解されない社会になってしまいました。
震災がれきトラック、反対派が阻止…押し問答(読売新聞) - goo ニュース